団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

非正規公務員の待遇改善は実現できるのか

 物価高騰の現状を踏まえ、また日本再生の決めてと位置付け、政府や労使は「賃金の上昇」に向かって機運を盛り上げようとしています。

 

 民間の賃金が上がれば、人事院の勧告を受けて公務員の給与も上昇することでしょう。

 

 しかし以前から問題になっている非正規公務員(いやな言葉ではありますが)にまで、その恩恵は浸透するのでしょうか。

 

 非正規公務員は、自治体の財政難の影響で正規職員が減少傾向にある中、行政に求められる役割の多様化もあって増加してきました。

 

 人件費を抑制したい自治体の思惑もあり、増加の一途を辿っていまや4人に1人が非正規公務員という現状です。

                          Joschさんによるpixabayからの画像

 

 非正規公務員の待遇改善を図るために、2020年には「会計年度任用職員制度」が導入されました。

 

 しかし雇用期間は年度ごとの更新で、「公募なしの再任用は2回まで」とする自治体が多いのが現実です。

 

制度創設から3年目を迎え、今年度末には再任用の上限回数に達した多くの会計年度任用職員が公募選抜試験を受けることになるとみられ、採用されなければ、事実上の「雇い止め」にあう人が続出する恐れが出ているといわれています。

 

 立教大の上林陽治特任教授(労働社会学)によると、自治体が担う相談業務が増えていることも非正規公務員の増加につながっているといいます。

 

 例えば、自殺対策や児童虐待、生活困窮者支援といった相談窓口の設置が自治体に求められるようになったが、正規職員を配置する余裕がなく、非正規の相談員で対応するケースが多くなっています。

 

上林特任教授は、「公共サービスの重要な担い手が、低賃金で不安定な状況のままでは、自治体の住民サービスにも影響が出かねない。公務員制度の抜本的な見直しが必要だ」と話しています。

 

 自治体は住民の生活を支える役割を担っています。

 

 自治体で働く非正規公務員の生活についても、同じように考えるべきではないでしょうか。