「日本人は勤勉だ」というのが海外から見た日本人評です。
“勤勉は美徳”と思っている日本人は、年配世代を中心に少なくないと思います。
コロナ禍が続く中で、エッセンシャルワーカーと呼ばれる職種の方々の活躍が称賛されています。
そんな中、昨年暮れの12月29日、東京・昭島市で救急車の単独事故が発生しました。患者の搬送後、消防署に戻る途中で中央分離帯に衝突し、横転。救急隊員3人が軽いけがをしました。
車内のドライブレコーダーには、運転席と助手席の隊員2人が居眠りする姿が映っていたほか、後ろの座席の隊員も眠っていたといいます。
17時間休みなしの勤務の果ての横転事故でした。
感染の拡大が起こるたびに、救急隊員にしわ寄せが集中してしまっているのです。
Bessiさんによるpixabayからの画像
日本では、現場の良心的な職員の頑張りで社会を維持するという悪習が横行しているような気がします。
それを許したのは“日本人の勤勉性”にあったのでしょうか。
たとえばフランス人だったら、このような事態になったら、勤務を拒否し、ストライキのような行動にでるのではないでしょうか(笑)。
かつての日本は、敗戦による焼け跡の状態から、高度成長を成し遂げて、世界を驚かすようなパフォーマンスを遂げることができました。
成長の根底には日本人の勤勉性があると、多くの専門家から言われた時期もあります。
そのような成功体験から抜け出せないまま、今の日本の仕組みが出来上がっているように思います。
ただひたすら頑張るのではなく、ときに立ち止まって「このままでいいのか」と考えることも、大事なことなのではないでしょうか。