先日予てからみたいと思っていた映画「パーフェクト・デイズ」を見てきました。
渋谷の公衆トイレ清掃員の何気ない日常を映し出すストーリーですが、ほとんどセリフがないなかで、役所広司の身体で演技する作品となっており、非常に後味の良い、期待通りの映画でした。
この映画の主人公のようなエッセンシャルワーカーの働きで、私たちの社会生活が支えられていることを改めて実感させられたものです。
4月1日から配送ドライバーなどの残業時間の規制が強化されました。
それにより人手不足にますます拍車がかかることが懸念され、物流関連企業は対策を講じているようです。
物流分野に限らず、今後社会全体を支える労働に従事する人々の不足が、深刻な問題となりつつあるといいます。
リクルートワークス研究所では、有効な対策が実行されないと、2030年には341万人余、40年には1100万人余の働き手不足となり、労働力をめぐる状況は社会が成り立たないほどの深刻な事態になると警告しています。
人流、物流、建設作業などを担う労働者が大幅に足りなくなるうえ、介護職員も不足し、活躍していた優秀な人材が、親の介護のためやむなく離職し、人手不足に追い打ちをかける事態が発生するといいます。
さらに企業間の人材争奪戦が激化し、特定の企業や業界に働き手が集中して、他分野での人手の確保が困難になる事も予想されています。
すでに警察官や自衛官等、公務員の応募が少なくなっていることに、その兆しがあります。
また外国人労働者で不足の労働力を埋めるという方策は、日本の受け入れ態勢が劇的に変化しない限り難しいともいいます。
このように絶望感すら抱かせる未来の社会像が示された時、私たちはどのように向き合えばよいのでしょうか。
自動化、ITによる管理や、ロボットへの代替を早急に実現することなど、知恵と実行力を発揮することで、社会の持続性を確保することに真剣に取り組まねばならないでしょう。