日本人の睡眠時間は他国と比較して非常に短いようです。
日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、OECD加盟国27カ国中でワースト1位で、日本人の睡眠不足による経済損失は年間約15兆円という莫大な金額におよぶと試算されています。
日本の生産性が先進7か国のなかでも最下位であることと、日本人の睡眠時間が短いことは、何か因果関係があるのか?とふと思いました。
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「寝る間も惜しんで」何かに打ち込む…、人生の中ではこんな時期があってもいいのでしょうが、四六時中短い睡眠時間で働き続けるといった生活では、無理が高じて体を壊すのがオチです。
これまで日本では「寝ること自体がさぼっている、無駄な時間」と考えられる風潮があったような気がします。
いまは随分意識が変わってきたと思いますが、机にしがみついて夜遅くまで働く(働いているふりをする?)のが美徳であり、管理者もそんな社員に高い評価を与えることがまかり通っていた時代が長く続きました。
深夜に帰宅し、朝は定時に家を出る生活ですから、睡眠時間は少なく、その分休日に「寝だめ」をするといった人は少なくなかったのです。
しかしそんな働き方を続けていても、会社の業績が上向くことはなく、生産性が低迷したままでした。
「睡眠負債」という言葉があります。
毎日少しずつ睡眠不足が借金のように積み重なっていくことで、積もり積もると生活習慣病やうつなどの心身の不調となって返済を迫られるのです。
日本人が寝る間も惜しんでコツコツと、少ないアウトプットのために、懸命に頑張ってきました。
その間に、世界はデジタル化の波に乗って、プラットフォームを中心に据えた「新たなビジネスモデル」に果敢に挑み、GAFAに代表されるような巨大なハイパフォーマー組織が出現しました。
従来の延長線上で頑張り続けた日本は、ジリ貧状態に甘んじることになってしまったのです。
良質な睡眠をたっぷり取るようにすることで、集中力が持続する状態を保ち、決まった時間で成果を出す習慣を作らなければ、生産性をあげることはできないのでしょう。