イソップ寓話に次のような話があります。
【キツネとブドウの房】
「おなかがすいたよう」と、キツネが森の中を歩いていました。
すると、おいしそうなブドウがブドウ棚からたくさんぶら下がっていました。
キツネはなんとかして取ってやろうと思いました。
でも、ブドウ棚は高くてどうしても手が届きません。
キツネは、「あのブドウは、まだ酸っぱいのさ」と、独り言を言って、どこかへ行ってしまいました。
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【モノ離れがすすむ若者たち】
今の日本の若い人たちの間では、「車離れ」「ブランド品離れ」などの傾向が顕著だといいます。
上記のイソップのキツネの寓話のように、自分の経済力では手に入らないということで、車を持つことや高級ブランド品への憧れを諦めてしまっていることなのでしょうか。
それとも車や高級ブランド品が欲しいという、気持ちそのものが薄れてしまっているということなのでしょうか。
日本経済が右肩上がりで、豊かな時代に生まれた彼らは、モノに溢れた環境
の中で育ちましたから、生きていくうえで必要最低限なモノは、自分の周りに
揃っていました。
今は、コロナ禍で困難な状況下に置かれた人達もいるとはいえ、大半の若者は、私達以前の世代に比べて、モノへの執着は希薄なような気がします。
【足るを知る】
そんなことを考えていた時、モデルや女優として、大活躍の中条あやみさんが、
”豊かさ”について語っている記事が目に留まりました。
「人と比べたらキリがない!当たり前の日々こそが”豊かさ”」という趣旨のメッセージです。
昨年、おうち時間が増えたときにアルバムを見返して、自分はとても豊かな時間を過ごしてきたんだと実感しました。
先のことばかりを考えて当たり前のように過ぎていった日々は、当たり前じゃなかった。私たちって、すでにたくさんの“豊かさ”を持っていたんだなって思いました。
今はSNSなどで色んな人が発信する素敵な投稿に「いいなぁ」と共感したり憧れたりして生きていて、それは楽しいことだけど、一方で比べることはキリがなくて、自分が持っている“豊かさ”が見えなくなりがちだなとも思います。
私は「足るを知る」という言葉が好きです。
こういういう時代だからこそ、自分が満足できる量やモノを理解して、今持っているモノに感謝するのって、すごく大事なことなんじゃないかなと思うんです。
「足るを知る」こそが自分にとっていちばんの幸せの近道なのかもしれませんね。
人と比べて落ち込むことがあっても、きっと自分は自分の”豊かさ”を持っているはず。今、この当たり前の日々に感謝して過ごせば、毎日がもっと楽しくなりそうですよね。
(以上、中条あやみさんの手記より)
売れっ子の中条さんが、こんなにしっかりした考え方をしているんだな、と感心してしまいました。