団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

医療従事者の“燃え尽き症候群”への対処を急げ

 このところ全国的にコロナ感染者の数が少ないまま推移しています。

 

 医療現場は、いっときの修羅場と化した状態から少し余裕が出てきたのでしょうか。

 

 しかし気になるのは、医療従事者の間で「燃え尽き症候群」の対象者が増えていることです。

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      Bessiさんによるpixabayからの画像

 

看護師の半数が燃え尽き症候群に】

 国内2人目の新型コロナウイルス感染症患者を受け入れ、第一波のピーク時には40人を超える入院治療にあたっていた聖路加国際病院では、職員の「燃え尽き症候群(バーンアウト)」について調査し、その結果を論文として公表しています。

 それによると、救急科や一般内科、呼吸器科、感染症科、集中治療室などの新型コロナ患者と接触していた部門で働いていた医療従事者のうち31.4%の人が、バーンアウトを経験していたそうです。

なかでも多かった職種は看護師で、126人の看護師のうち、46.8%にあたる59人がバーンアウトを経験していました。

 そのほか、バーンアウトは次のような医療従事者に多かったそうです。

・経験年数が浅い

・個人防護具に慣れていないため不安が高い

・以前に比べて睡眠時間が短くなった

・仕事量が多いと感じている

・感謝されていない、リスペクトされていないと感じている

 

【医療従事者へのリスペクトを忘れてはならない】

たしかに経験年数が浅く、個人防護具に不慣れなことからくるプレッシャーやストレスは計り知れないものであったろうと推測されます。

 

 そして、第6波の長期にわたるコロナウィルスとの戦いは、体力的にも限界に近い日々であったろうと思います。

 

 今はどうかわかりませんが、霞が関では予算作成などの時期に、働きづめの官僚たちの中には、精神的にも追い詰められて、庁舎の上階から中庭に身を投げて自殺をはかるケースが毎年のように起きた、という話をきいたことがあります。

 

 同じようなことが、医療現場で起きなければ良いが、と危惧しているところです。

 

 ここに来て、重症患者が減少して医療現場は、しばしの余裕を確保できたかに見えます。

 

 しかし長く張り詰めた環境におかれた医療現場では、ストレスや疲労の蓄積による、体力的・精神的なものからくる「燃え尽き症候群」の症状を訴える医療従事者が増えているという報告もあります。

 

 次の波が襲ってこないうちに、心配される対象者には、カウンセラーやセラピストなどの専門家を投入して、ケアにあたってほしいと思います。

 

 そしてなにより“医療従事者の皆さんへのリスペクト”を皆が持ってほしいものです。

 彼らが「誇りを持って」仕事に打ち込めるように。