団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

コロナ禍の病院経営悪化に手をこまねいていてよいのか

 ブルーインパルスが飛んだり、全国各地で青い花火が打ち上げられたりと、コロナウィルスに立ち向かう医療従事者へ感謝の意を伝える様々なメッセージが送られています。

 

 そんな中、予てからコロナウィルス感染者への対応による病院経営の悪化が懸念されていました。

 

そしてついに東京女子医大病院では、病院の財政悪化を軽減するためという理由で、すでに医療スタッフの給料が減額されていることに加え、今夏のボーナスカットの発表がされました。

 

 特に、今回のコロナ感染者専門外来の看護師は、一週間仕事をすると、一週間の休みを義務付けられていますが、その結果、他のスタッフに比べ休みは多いが、給料は半分程度まで落ち込んでしまっているという状況だったようです。

 

 その結果、今回看護師400人以上が退職希望を出していることが分かりました。

 

 自己犠牲を払うことが美徳とされている風潮のなかで、献身的に働いていた看護師たちが、このような給料では、生活が立ちいかなくなり、辞めざるを得ないと決断したようです。

 

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               Manfred RichterさんによるPixabayからの画像

 

 東京女子医大の関係者は「元々病院は経営難だった。そこに新型コロナの影響で専門外来新設などのための支出がかさんでしまった。」といいます。

 

 ボーナスをゼロにしなければならないほど、追い詰められてしまっているという事態になっているのです。

 

 今回あらたに就任した日本医師会の中川俊男会長は、「ボーナスをゼロにしなければいけないほど、追い詰められているということだ。新型コロナウィルス感染の危険があるといわれながらも、風評被害にも会いながらも、それに耐えて献身的に働いてきた方々が、追い詰められるということだと大変なことになる」

 

 そして中川会長は「早期に手を打たなければいけないと認識している」と答えています。

 

 東京では7月9日、新規感染者数が過去最高となる224人となり、感染の再拡大が懸念されています。

 

 今回の同病院の看護師の大量退職といった事態は、他の病院にも波及する可能性があるのではないでしょうか。

 

 忍び寄る第2波を前に、「医療崩壊」を防ぐ方策を医師会のみならず、新型コロナ感染者の受け入れを強く要請してきた地方自治体、そして国が早急に手を打つべきです。

 

 私も昔、この病院で手術をうけた経験があるのですが、その時に夜も走り回って患者さんのために献身的に働いていた看護師さんたちの姿が目に焼き付いています。