私は以前から「資本主義による市場経済」は限界を迎えていると漠然と思い続けていました。
コロナ禍の世界は大きな経済的ダメージを受けていますが、コロナが落ち着いた時、大規模な財政政策と金融緩和策で乗り切ろうとするのでしょうが、この方法では、もはや持続不可能だろうと思います。
バブル研究家の水野和夫法政大学教授は「「1980年以降は、バブルの生成と崩壊の繰り返し。しかも、規模は年を追うごとに大きくなり、ショックが起きた後の実体経済への悪影響が格段に増している」と述べています。
そしてその歪みは弱者に犠牲を強いたり、所得格差がいっそう進んだり、待ったなしの環境問題の改善を阻んだりと、目を覆わんばかりの結果につながっているのです。
そのような疲弊した資本主義が招いた矛盾に対して、世界中の若者たちが動き出しています。
国連の温暖化対策サミットで各国の代表を前に、温暖化対策について熱烈な演説をしたことで、一躍有名になったスウェーデンの当時16歳の活動家グレタ・トゥーンベリさん、しかしトランプ氏をはじめ時の権力者たちの反応は鈍いものでした。
グレタさんのように真正面から立ち向かっても、動こうとしない権力者たちを見限ってか、新たな方法で社会を変えようとする若者たちが出現しています。
“ビジョンハッカー”と呼ばれる若者たちです。
世界各地で社会システムを根本から変えようと、スマートホンを武器にしながら、仲間や資金を集め、軽やかに行動しています。
Dim Houさんによるpixabayからの画像
先日NHKで紹介された「ビジョンハッカー」、その存在を知った私は新鮮な喜びと期待を抱いてしまいました。
紹介されたのは、
- 無償の学習支援に取り組む活動
- 太陽の光で貧困問題に取り組む活動
- 海外で健康診断の仕組みを広めようと活動する日本人女性の活動
- コロナ禍で孤立する医療従事者を無償支援する活動
- 労働者が搾取される社会を変えようとする活動
などです。
彼らの活動を以前から支援しているビル・ゲイツさんは、
「ビジョンハッカーたちは、これからどんなイノベーションを起こし、貧しい暮らしを改善してくれるのでしょう?日本のそして世界の若者たちが、世界をより良い場所に変えてくれると信じています」
と期待をよせています。
次代を担うこれらの若者たちが、いまの社会システムを変えてゆく原動力になってくれることを願うばかりです。