1991年から2019年の日本の賃金上昇率は1.05倍です。
この間、イギリスは1.48倍、アメリカは1.41倍でしたから、かなり低いといえます。
ただ、この間日本は長くデフレ経済でしたので、給料が上がらなくてもなんとか生活していけたのです。
しかし、いよいよそうはいかなくなってしまいました。
このところ、全てのものの物価が跳ね上がっています。
1ドル150円が続けば、家計負担は年8.6万円(平均値)の増となる模様です。
しかし、それに準じて賃金があがるという話は聞こえてきません。
そしてインフレは、年金生活者にとっては死活問題なのですが、将来の年金危機に備えて、増額はおろか受給額の減額という有り様です。
賃金の上昇によって、日本経済の復活を目指さなければなりません。
Jose Antonio Albaさんによるpixabayからの画像
そのためには、成長産業を育てる(これが難しいことなのですが)ことにより、その産業を担う人達から成果に応じて高い賃金を得られるようにしていく必要があります。
一方でAIの普及によって、近い将来49%の仕事がAIに取って代わられると言われています。
AIをうまく活用しながら、生産性を上げることができれば、関わる労働者の賃金を上げ、生活の質も確保できるのです。
いまの仕事にしがみつづけるのではなく、将来必要とされる仕事をイメージしながら、自分のスキルを磨いていくことが必要のなるのでしょう。
最近、“リスキリング”という言葉を耳にするようになりました。
リスキリング(Reskilling)とは、職業能力の再開発、再教育のことを意味します。
近年では、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略において、新たに必要となる業務・職種に順応できるように、従業員がスキルや知識を再習得するという意味で使われることが増えています。
ドイツでは官民を挙げて、リスキリングに力をいれて、成果に繋がる例が増えているといいます。
日本政府もリスキリング支援に、5年間で1兆円を投じる方針を打ち出しています。
デジタル革命に乗り遅れてきたことが、日本の衰退に繋がってしまったとすれば、国も自治体も企業も、そして個人も、リスキリングに本気で向き合うことが迫られているように思えます。