団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

食料の自給率を高めることが急務となってきた

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻を機に、小麦の生産量6位のウクライナの生産減の影響を受けて食糧危機に陥っている国がいくつか出てきました。

 

 のみならず、穀物、肉類、乳製品などすべての品目で騰勢が収まる気配はありません。

 

 中国の需要急増や新型コロナウィルスの感染拡大、気候変動や脱炭素化といった要因が複合的に影響しているといわれています。

 

 冷戦終結後、食糧確保は経済合理性だけをみて判断すればよくなりました。

 

 生産性の一番高い所で大量生産し、安い原油を使って大型船で運んでくればよい。

 

 海外での農業生産の拡大に協力し、輸入を安定させれば、食料の安全保障が担保されるという考え方でずっとやってこれたわけです。

 

 ところが、中国を中心に需要が拡大する一方、気候変動で供給が不安定になり、ロシアのウクライナ侵攻という地政学的リスクが加わりました。

 

 日本の食料供給システムの脆弱性が浮き彫りになっています。

       ツツジ

 

 付加価値が高く、空輸でも利益が出る半導体のような工業製品に比べ、農産物は基本的に腐りやすいうえにかさばるので、輸送に高いコストをかけられません。

 

 改めて食料は極めて地域限定的な資源であることを痛感させられています。

 

 日本の農地、水、人、森林などをフル活用して、多少コストが高くても、国内の食料増産に注力すべき時がきているのではないでしょうか。

 

 特に水田は生産性が高く、究極の食料生産装置とも言えますが、水田面積は減り続ける一方でした。

 

 日本全体で農業を大事にしていかないと、大変な事態に陥るのではないでしょうか。

 

 農業の目的を食料の増産に集中させれば、付随して水源の涵養や国土の保全、良好な景観の形成といった農業の多面的機能が発揮されるようになりますし、農業に力を入れる国・自治体の施策によって儲かる農業に転換できる可能性も高まることでしょう。

 

 それがひいては食料安全保障につながるのではないかと思います。