団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

水道管の劣化問題に手をこまねくな

 昨日、私の住む集合住宅の増圧ポンプの点検作業が行われ、作業中1時間ほど断水になりました。

 

 断水の時間帯に外出していれば何の問題もなかったのですが、たまたま私も妻も、そしてリモートワーク中の娘も家にいる時間帯でした。

 

 断水になる前に昼食を終わらせたり、トイレを済ませておいたりと、たった1時間の断水に少々不便を強いられて、蛇口をひねればいつでも水が使える生活にどっぷり浸かっていることを実感させられたのです。

 

 災害を経験した人達が、真っ先に困ったのは、水が使えなくなる生活を、長い時間強いられたことだといいます。

 

 世界を見渡せば、安全な水を当たり前のように供給されている国・地域ばかりではありませんから、私達はこの点では本当に恵まれていることを痛感します。

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  Simon Kadulaさんによるpixabayからの画像 

 

 全国に張り巡らされた水道管の総延長は約72万km(2018)もあります。

 

 このうち法定耐用年数の40年を超えるのは17.6%の約12万kmもあり、今後20年間のうちに、すべての水道管の四分の一を更新しなければならないといわれています。

 

 しかしいま全国各地で老朽化した水道管の更新が進まず、破裂事故などが相次いでいます。

 

 こうした問題の一因が、計画的な更新に向けての基礎資料となる台帳の不備だといいます。

 

 厚生労働省の調査結果によれば、全国の水道事業者の4.3%の61事業者が「台帳を整備していない」、15.4%の216事業者が「あまり整備していない」と回答しています。

 

 特に小規模な自治体で作成が進んでいない傾向にあり、給水人口2万人未満で28%、5000人未満で37%が未作成なのです。

 

 私達がその地に住み続けるうえで水道が整備された、安定した水の供給は必須の要件になります。

 

 今後、人口の少ない地域において、水道管の更新にかかる費用は、地域によっては、自治体に重くのしかかっていくことになります。

 

 国が踏み込んだ支援を検討しなければ、住む人達が安全な水の提供を受けられない恐れもあります。

 

 今回のコロナ対応で後手後手にまわってしまった日本の政治・行政ですが、水道管の劣化問題が深刻にならないうちに、危機感を持って事に当たってほしいものです。