実家に行った時に、朝はやく近くを散歩することがよくあります。
観光地なので、ホテルや旅館は営業していて、それなりに活気はあるのですが、それ以外は、高齢者ばかりが住んでいる“限界集落”のようなところです。
近所の人が亡くなって、そのまま家が残っているところがあれば、亡くなってから10年以上が経ち、家が取り壊されて更地になったあとに雑草が生い茂っている箇所もあります。
以前は、「売地」「売家」の看板をよく見かけましたが、諦めたのか最近はそれらの看板も撤去されているところが多くなりました。
私の小さい頃は、この辺にたくさんの家が建っていて、大勢の子供がおり、町も観光客があふれていて活気がありました。
旅館の数もいまの5倍以上はありましたから、観光に従事する人達がたくさん居を構えていたのです。
しかしいま街を歩いていても、子どもの姿を見かけることは、ほとんどありません。
温泉地ですから将来も一定の人達が住むのでしょうが、現在のホテルや旅館は合理化が進み、そこで働く従業員も近くの地域から車で通勤するケースが増えているとききます。
高齢世帯の多いこの地域は、今後ますます空き家が増えていくことでしょう。
このような限界集落的な地域は、全国にたくさんありますが、地方自治体によっては、若い人を呼び込むための様々な工夫をしているところがあります。
空き家を町が買い取り、新たに移住する若い世帯に安く貸したり、子どもの学費を免除したりするなどの試みも行われています。
国は本腰を入れて“少子化対策”に取り組むなどと宣言していますが、自然豊かな地で子育てをしようとする若い世帯に、働く場の提供や子育てをする環境を整えるなど、きめ細かい施策を講じる必要があります。
リモートワークの普及などで“場所を選ばず働ける環境”をさらに進化させて、特色ある地域を作り上げてもらいたいものです。
各地方自治体も地域の特色を生かして、本腰を入れて子育て世代が住みやすい施策を考えて欲しいと願っています。
自然豊かな環境の地に、子どもの声を取り戻そう。