団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

57年前の東京オリンピックと何が違う

 今日、東京オリンピックの開会式が開かれます。

 

 せっかくプレミアムチケットを手に入れた人達は、無観客が決まり残念なことでしょう。

 

 昭和39(1964)年に開催された前回の東京オリンピックの映像をみると、超満員の国立競技場を、日本選手団が颯爽と行進する姿は、日本国民の高揚感の象徴のような印象を私に与えました。

 

 コロナ禍の今回のオリンピックは、問題山積の中の開催で、前回とは様変わりのような気がしますが、実は開催直前まで国民はオリンピックを冷めた目で見ていたようです。

 

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   Peter Dargatzさんによるpixabayからの画像

 

 昭和39年といえば終戦から19年がたった時、高度成長期といわれた時期ではありましたが、庶民はまだまだ貧しさから脱却しきれたとはいえない状況でした。

 

 開催するための見当もつかない経費とその財源。施設や道路などのインフラ整備、ホテルなどの受け入れ態勢。日本のスポーツの競技力。外国人に慣れていない国民性。

 

 不安材料には事欠かず、多くの国民には背伸びや他人事としてしか見えなかったといいます。

 

 当時はまだ東京都民の衛生認識も乏しく、街中はゴミだらけ、ゴミを平気で川に投げ捨てるといった感覚だったようです。

 

 開催にむけて街中にゴミ箱を設置したり、ゴミ収集体制の整備や都民への「街中をきれいに保つこと」への啓蒙活動を行い、開催時には見違えるようなきれいな街頭へと変貌させました。

 

 終わってみれば、国民の大半の意識が成功や大成功といった結果になり、日本・日本人の大きな自信とつながります。

 

 今回は、開催を1年先延ばしにして「コロナに打ち勝った証しとして、安心・安全な開催を目指す」としましたが、ワクチン接種の遅れも相俟って、第5波の感染拡大真っ只中という状況での開催を余儀なくされています。

 

 開催後、日本人は「オリンピックをやってよかった」と評することができるとよいですが…。