街中で、高齢者がスマホを持って通話をしたり、検索をしたりする姿を以前より多く見かけるようになりました。
通話はともかくとして、心もとない指の操作をしているのを見ていると、間違えなければよいがとハラハラすることがあります。
もっとも私も立派な高齢者ですから、人のことをとやかく言える立場ではないのですが…(笑)。
NTTドコモのモバイル社会研究所が2018年に発表したデータでは、60代のスマホ保有率が56パーセントになり、初めてガラケーの保有率を上回ったようです。
2017年まではガラケーとスマホの保有率は半々といった割合でしたが、1年の間にガラケーからスマホに買い替えた人が増加しているということになります。
さらに前年の2016年では、60代のスマホの保有率は33パーセントしかありませんでしたので、ここ3年程度の間に60代以上のスマホの普及が広まり、今後もスマホの普及率は増大していくものと思われます。
Mabel Amberさんによるpixabayからの画像
各キャリアは高齢者でもスマホが簡単に使えるように「らくらくスマホ」や「簡単スマホ」といった高齢者向けのスマホを発売するようになりました。
また、簡単スマホだけでなく、若者にも人気のiPhoneは操作が単純で、iPhoneを使い続けている限りメニュー画面がずっと同じだということや、高齢者の家族が操作を教えやすいからといった理由でiPhoneを使っているという人も少なくありません。
行政サービスのデジタル化が進む中で、高齢者も行政手続きや防災情報を取得する際等に、パソコンやスマホを活用することが求められる時代になってきました。
今や国民に欠かせないインフラ(社会基盤)ともいえる無料通信アプリLINEは、2011年の東日本大震災をきっかけに誕生したもので、月間利用者数は国民の約3分の2に当たる8600万人に上っていて、その浸透度を活かし、災害に対する手段としても日々機能を向上させています。
またコロナ禍の中、感染したり、濃厚接触者の対象になった場合、行動の足取りを追う意味でも、高齢者のスマホ所有は有用になってきます。
高齢者層がスマホを一定程度使いこなせるようになることは、デジタル化社会を実現するうえで、必須の要件ではないでしょうか。
いま総務省がNTT幹部の接待問題で揺れていますが、菅政権はそれに臆することなく、「スマホの利用料金を下げる」政策の手綱を緩めないで欲しいと思います。