緊急事態宣言のもと、国は民間企業に出勤7割減を要請しています。
しかし行政の足元である霞が関の官僚のテレワークは全く進んでいません。
いま衆議院では予算委員会が開かれていますが、テレワークどころか、国会が開かれている時の官僚たちは、国会議員への対応で昼夜を問わず勤務を強いられます。
「質問取り」という国会で質問する議員から官僚が事前に内容を聞き取る作業は、正確な答弁作成には欠かせないといいます。
議員への対応は、対面でのやりとりをしなければならないのは変わっておらず、各省の現場からは「議員対応をオンライン化できなければ在宅勤務は普及しない」との声が上がっているといいます。
Ralf KunzeさんによるPixabayからの画像
これに対し、議員側でも当面は対面での質問取りを控え、電話やファックス、オンラインを活用することを申し合わせました。
ただ、議員のなかには「実際に会わないと本音の話ができない」との声も根強く、定着するかどうかは見通せないといいます。
国会での質問内容は2日前までに通告するという与野党の申し合わせがあります。
しかしこの申し合わせも形骸化してしまい、官僚が質問日の前夜まで待機することが常態化してしまっています。
また立憲民主党や共産党が各省庁の担当者らを呼び出す「野党合同ヒアリング」も省庁の業務を圧迫していて、「官僚いじめ」との批判もでています。
昨年来、緊急事態宣言をうけて民間企業は、テレワークの普及に心血を注いできました。
議員対応の霞が関の業務を抜本的に変えるためには、議員側が意識を変えない限り、実現は難しそうです。
このような現状のなか、若手官僚の退職が増えています。
2019年度に自己都合で退職した20歳代の国家公務員の総合職は87人に上り、2013年度の21人から6年間で約4倍に増えています。
退職の主な原因は長時間労働だといわれています。
国会運営の改革、政治家の意識を変えなければ、このブラック職場の現状は変わらないのではないでしょうか。
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