団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

さらば東京

 私が異変に気づいたのは昨年⁽2020年⁾の8月でした。

 

当時ブログにも書きましたが、前月の7月に東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県から他の道府県への転出が転入を上回ったとの報道を目にした時です。

 

 そして東京だけをみると、2020年5月から転出超過がはじまり、5月~11月でみると、15の道県で東京都への人口移動が、前年⁽2019年⁾の転出超過から転入超過に転じていました。

 

 神奈川、茨城など東京近県や北海道では、その差が1000人を上回っています。

 

 転出超過だった府県もすべて超過幅が減少し、東京への人の流れが弱まり、3万7598人も減っています。

 

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  andrea candrajaさんによるPixabayからの画像

 

 新型コロナウィルスは密な環境で広がることは、今回の「1都3県の緊急事態宣言」をみても明らかです。

 

 首都圏の人口比率は約30%にのぼり、欧米諸国と比べても集中度が極めて高い状態になってしまったのです。

 

 戸建てやマンションがひしめき、通勤電車は「痛勤電車」と揶揄され、震災リスクが予てから指摘されていましたが、今回、感染症にたいする危険性も浮き彫りになりました。

 

 上記の人口移動の変化は、コロナ禍をきっかけとして、人と企業が動き始めたと捉えることができるのでしょうか。

 

 今回の緊急事態宣言も「テレワークを70%に」と要望しています。

 

そこまで本当に実現するかは別としても、コロナ禍を機に予想していた以上に、テレワークが普及したことは驚きでした。

 

 テレワークを経験した人の中には、実家やシェアオフィスのある地方で働く人もいましたし、移住希望者も増えたといいます。

 

 分散力を生かして、大都市と地方を行き来する生活様式を経験したことで、豊かさを実感するきっかけになったのかもしれません。

 

 東京は限界を超えて過密化しています。

 

 様々な機能が集積した東京は便利で仕事もしやすいのかも知れません。

 

 しかし高層化したオフィスや居住空間は人工的で、自然環境からは遠ざかってしまいました。

 

 コロナ禍を機に、東京が魅力的との幻想から目覚めた人も多いのではなかったのでしょうか。

 

 また国は2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指していますが、大都市のオフィスビルはエネルギー負担が大きく、莫大な二酸化炭素を排出しています。

 

 CO2を減らすためにも、自然に近い地方で暮らし、働く人を増やす必要がありますし、そのような動きが増えることによって、経済優先の社会とは別の豊かさも見えてくるのかもしれません。

 

 いまはコロナ感染の逆境との戦いの最中ではありますが、人々が分散する流れをつくり、大都市の人が地方の良さを意識するようになれば、日本はよい方向に向かってゆくことでしょう。

 

「東京よ、さらば!」と地方に向かう人、彼らを是非応援したいと思っています。

 

 

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