コロナ禍のなかで飲食業がダメージを受けています。
飲食店の不振の煽りをうけたり、学校給食の中止などで一部の農家も販路を断たれ、苦しい状況に追い込まれました。
地方で農業の果たす役割は大きいので、地域の活性化のためには農業が元気であることは大変重要です。
また日本国内の食品流通は、大きな販売力を持つスーパーなど小売り側が、価格や販売方法の設定で優位な立場にあり、農家は付加価値をつけようにも小売り側にコントロールされてしまっているのが現状です。
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このように国内で様々な収入増の壁があるのだとすれば、海外に活路を見出さざるをえません。
この10年ほどで農林水産物や食品の輸出額は大きく伸び、世界で日本産食品への関心が高まっています。
ただ輸出実績の内訳をみると、加工食品が40%程度を占める一方、和牛などの畜産品は約8%、果実・野菜は約5%にとどまっていて、加工食品に依存しているというのが実情のようです。
産地や農家を活性化させるうえでも、果物や野菜などの生鮮品の輸出割合を増やしていくことが大きな課題です。
また主要な輸出先は、香港、中国、台湾で約半数を占めていて、香港などでは日本産の消費の中心は富裕層に限られていて、人口が約750万人ですから、輸出量は、ほぼ飽和状態に近づいているといわれています。
今後は新たな販路として、経済成長が著しい東南アジアの富裕層市場が期待されています。
2013年12月には“和食”が無形文化遺産に登録されました。
登録を機に、海外での和食人気は高まり、海外にある日本食レストランは、2013年に約5万5千店だったのが、2019年時点で約15万6千店へと3倍に増えています.
そのような動きに合わせて、外食向け食材は輸出を底上げしており、特に日本酒の輸出額は、2020年に241億円と11年連続で最高を更新しているのです。
今回の東京オリンピック開催を機に、映像を通じてではありますが、世界から日本が注目されました。
例えば、日本産のアイスクリーム人気が高まっています。
今期上半期(1~6月)の輸出額は前年同期を4割上回る32億1322万円と、過去最高になっています。
TPPなどの自由貿易協定の促進により、関税の撤廃の動きも追い風になっています。
コロナ禍のなかでインバウンドはなくなったものの、日本に関心を持つ海外の人たちからの、ネットを通じた日本産品の購入も増えています。
様々に知恵と工夫を駆使して、日本の農業品を世界に売り込む必要があります。