寒さも増してきて、インフルエンザが猛威を振るう時期になってきました。
しかし日本もそうですが、世界的にインフルエンザにかかる人が激減しているようです。
手洗いやマスク着用など、個人の衛生対策が浸透したことが、コロナ対策のみならず、インフルエンザ対策にも大きく寄与していることは理解できます。
しかしここで「ウィルス干渉の可能性もある」との指摘が、専門家からあったことを知り、興味をそそられました。
「ウィルス干渉」とは初めて聞く言葉だったからです。
Kieu TruongさんによるPixabayからの画像
ウイルス干渉とは体内の細胞がウイルスに感染すると、その周りの細胞がウイルスに感染しにくくなるという現象です。
感染しにくい人が増えると、集団レベルで感染が抑えられる可能性があるといいます。
新型コロナとインフルエンザのウイルスの感染経路はほぼ同じで、主に鼻やのどから侵入しますが、先に新型コロナに感染していると、インフルエンザに感染しにくくなっているといいます。
北里大学の中山特任教授は「新型コロナとインフルエンザの同時感染が起きないとは言えないが、同時に感染するケースは多くないだろう」と見ています。
ウィルス同士が干渉しあうとはどういうことなのか?
ウィルス研究分野での定義をさらにみてみると、
「干渉(かんしょう、interference)とは、1個の細胞に複数のウィルスが感染したときに一方あるいはその両方の増殖が抑制される現象。
干渉の機構として、一方のウィルスが吸着に必要なレセプターを占領あるいは破壊してしまうために他方のウィルスが吸着することができなくなる。
増殖に必要な成分が一方に利用され、他方が利用できない、一方が他方の増殖を阻害する因子を放出するなどの異種ウィルス間の干渉現象のほか、同種ウィルス間で欠陥干渉粒子(DI粒子)による増殖の阻害、インターフェロンによる増殖の抑制がある。」となっています。
この定義を読んでも、素人の私にはよく分からないのですが、数あるウィルスの中で、もし「新型コロナウィルスとインフルエンザウィルスとのせめぎ合い」を指しているのであれば、
インフルエンザウィルスに感染する人が激減しているということは、新型コロナウィルスにレセプターを占領されていて、インフルエンザウィルスが吸着することができない、つまり既に多くの人が無自覚のうちに新型コロナウィルスに感染してしまっているということなのでしょうか?
ウィルスの世界は、まだ解明できていないことが多いのでしょうが、この冬の新型コロナウィルス感染の動きには目が離せません。