【コロナの影響が夏祭りにも】
7月に入り、例年だと週末になれば、神社の集会室に世話役の人たちが集まり、夏祭りの準備で夜まで賑やかだったのですが、今年は週末になっても、集会室はひっそりと静まり返っています。
毎年この時期は、神輿が台座に取り付けられ、集会室の縁側に設置されると、祭りが近づいたというウキウキした気分になったものです。
そういえば江戸三大祭り(神田祭り、山王祭り、深川八幡祭り)や京都の三大祭りの葵祭り、時代祭りも中止が決まったようです。
また全国各地の夏の代表的なイベント・花火大会も軒並み中止が決まっています。
祭りや花火大会に照準を合わせて、準備をしてきた関係者の落胆は如何ばかりかと、思いをはせてしまいます。
新型コロナウィルスの影響で、じわりじわりと様々な職業の人達が窮地に立たされようとしています。
昨日は七夕でしたが、神社を通りかかると、近くの小学校の児童たちが作った七夕飾りが掲げられていました。
短冊をみると「はやくマスクをしないで済む日が来ますように」と書かれていました。
BessiさんによるPixabayからの画像
【神社の存続危機に拍車がかかる事態に】
休業補償をはじめ、何らかの救済措置が講じられる人たちはまだよいのですが、神社の関係者はさらに深刻な状況に追い込まれるといいます。
感染拡大を防ぐために拝観中止を余儀なくされた神社もあります。
また祭りが中止になることにより、関係する神社は奉納金などが入ってきません。
そして政教分離の原則から、神社はコロナ対策の給付金は対象外です。
もともと存続の危機にたたされている神社は全国各地にあるといわれ、特に中小の神社は氏子も減って収入が落ち込んでいる状況が続いています。
神社本庁が2015年におよそ6000の全国の神社に行ったアンケートによりますと、年間の収入が1億円以上の神社はわずか2%だった一方、300万円未満と答えた神社はおよそ6割にのぼっています。
国学院大学神道文化学部の藤本頼生准教授は「高齢化や人口減少で氏子の数が減り、地方を中心に収入の確保が難しくなっている。経営が立ちゆかなくなる神社が相次ぎ、この10年で神社の数はおよそ300減っている。多くの神社は危機的な状況に立たされている」と指摘します。
地方の神社の中には氏子が数世帯にまで減って建物の建て替えがままならないところがあるほか、神職のなり手が見つからず、1人の神職がおよそ100の神社を受け持つケースもあるということです。
また藤本准教授は、神社が存続していくためには住民や自治体と地域の活性化に取り組んだり、地域の外に引っ越した人とも接点を持ったりと、氏子との新しい関係作りに取り組む必要があるといいます。
近年パワースポットなどと注目される神社もあり、それをPRすることで参拝客を集めたり、神社ゆかりの縁起物などを現代風にアレンジして売り上げをあげたりと、工夫を凝らして生き残りをはかろうとしている神社もあります。
わが地域の神社は神職が常駐するような大きな神社ではありません。
数年前に地元の植木屋さんが中心になって、管理責任を担うようになってからは、境内の鬱蒼とした古木を大胆に伐採し、枝垂れ桜や紫陽花を植えて、通りすがりの人達の目を楽しませてくれています。
そんな努力のせいか、最近は毎日の参拝客を昔に比べ、増えたような気がしています。
神聖な場所として、昔から地域に親しまれてきた神社は、いまや「神頼み」ではなく、生き残り策を必死に考えているようです。
これから神社にお参りに行く際には、神社の現状に思いをはせながら「お賽銭」を入れなければと思っています。
私のような貧乏人は、いつも5円玉か25円(二重にご縁がありますように)で申し訳ないのですが…😢。