今回の国の観光支援事業「Go To トラベル」キャンペーンが決まる経緯をみていて、「あ~、またやっているな」と感じてしまいました。
このキャンペーンを前倒しで実施しようとした矢先に、東京で感染者が急増してきました。
この状況をみて、多くの専門家が「前倒し」実施を見送るべきだと主張しました、そして小池東京都知事も。
このような逆風が吹きだす中で、疲弊した観光関連事業を救うことを急ぐあまり、「東京を除外する」という条件を加えて、予定通りのキャンペーン実施を決定しました。
当然、その決定に関われなかった東京都や都民には不満が残ります。
また、その決定は、感染症対策の分科会メンバーも参加する会合において、短時間の中で行われます。
決定後、マスコミの取材等により、分科会の感染症専門家メンバーは、反対意見を述べる機会も与えてもらえなかったことが分かりました。
Hans BraxmeierさんによるPixabayからの画像
政府、役人を含め、日本の行政は、「専門家がこう言っているから」とか「専門家が問題ないと言っているから」という理屈を盾にして、自分達がつくったシナリオを通そうとします。
今回の「Go To キャンペーン」に限らず、昔から政府・行政⁽役人⁾は、自ら希望する方向に事を持っていこうとする際に、批判をかわすために、委員会や分科会という名前で、そのテーマの専門家を招集して審議させます。
その際にややもすると、行政側が進めたい方向とは違う結論になってはいけないので、そのテーマに賛成意見を述べたり、斟酌できる専門委員を人選するのが常です。
当たり前だといえば、当たり前ですが…。
広く国民の意見を聞いてばかりいると、決まるものも決まらないということはあるでしょうが、自分達に都合の良い考え方を持つ専門家を集めて、そこで審議した結論を錦の御旗にして、ことを進めようとする手法は、もうそろそろやめた方がよいのではないでしょうか。