相変わらず東京一極集中が止まりません。
今年1月1日現在、東京の人口増加率は、0.52%で44道府県の人口が減少するなか、ほかに増加した沖縄県(0.16%)、神奈川県(0.05%)と比べても突出しています。
ますます東京が「人口が密」になることは、新型コロナ・ウィルス感染拡大が菅官房長官をして「これは東京の問題だ」と言ったことと重なっている気がします。
ニューヨークで感染爆発が起こっていた時、ニューヨーク在住の日本人医療関係者の何人かが「今後、東京においても同じ状況が起きる」と警告していたことは記憶に新しいところです。
緊急事態宣言が出され、真面目な日本人は「ステイホーム」や「3密を避ける生活」を行い、一旦は収まりを見せたかのような状況にまでなりました。
しかし「夜の街」を中心に、再び感染拡大が起こり始め、3密防御の隙をついてあちこちに感染が伝播し出しました。
いまや東京圏のみならず、全国の主要都市で感染拡大が起きています。
この新型コロナ・ウィルスとの共生は容易ではなく、徹底した「密を防ぐ」生活様式が求められ続けていく気がします。
ありとあらゆるものが,土台からぐらつきはじめているのを痛感しています。
andrea CandrajaさんによるPixabayからの画像
ウィルスが、東京一極集中が止まらないことに、感染拡大という形で警鐘を鳴らしているかのようにも見えます。
欧米各国のなかで、相対的に今回のコロナによる死者数が少ないのがドイツです。
ドイツは国全体が「分散型」システムとしての性格を持っているといわれています。
ベルリンやハンブルクのような人口規模の大きい都市が存在するものの、全体として中小規模の都市や町村が広く散財しており、「多極的な空間構造」となっています。
AIの分析によれば、これからの日本や世界が持続可能であるためには、「都市集中型」のシステムから「分散型システム」への転換を図っていくことが急務だという結果が出たようです。
そういえば石原さんが都知事だった頃、首都移転が検討されたことがありましたが、インフラの未整備等を理由に石原さんが案を一蹴し、その後移転問題は、急速にトーンダウンしていったことを記憶しています。
この国は長期的視野にたった国造りを、粘り強く検討し続けるという熱意が足りないような気がします。