格差が大きい国の方が、富裕層も含めて死亡率が高いという調査結果があるらしいです。
地域内の格差拡大が健康に悪影響を及ぼすともいわれています。
どういうことなのか?
JAGES(日本老年学的評価研究機構)が65歳以上のべ41万人に対し、600以上にわたる質問項目に答えてもらい、それを10年以上の追跡調査をしたビッグデータがあります。
その中の不健康要因に強い結びつきがある因子の一つが「治安の悪化」らしいのです。
近藤克則千葉大教授(健康と社会の関係を考える医師)は、格差の大きさが治安悪化の背景にあると言います。
そして地域内の格差と治安悪化が健康に悪影響を及ぼしているのだとも、地域の治安が男性高齢者の心臓病リスクと関連しているとの調査データがあるらしいのです。
なぜ貧富の差が激しいと富裕層が不健康になるのでしょうか。よく金持ちが幸福だとは限らないなどと聞きます。自分の富を守るための気苦労や、地位を脅かす様々なリスクに晒されるからなのでしょうか。
富裕層になったことがないので分かりませんが、妬みや財産を狙う周りの人間との関係に神経をすり減らすこともあるのかも知れません。
貧富の差の大きな国、地域はおしなべて治安が良くないのですが、治安の悪化は富裕層にとって健康を阻害する様々なリスクをもたらすのかも知れません。
近藤教授は日本でも今後、貧富の差を縮めるような社会政策が、国民の健康水準を上げるために大事なことだと言います。
日本でも近年「格差社会」などといわれています。オレオレ詐欺のような資産をもつ年寄りを狙った犯罪は増えているのですが、凶悪犯罪は緩やかに減っているともいいます。
格差の問題などが取りざたされているとはいうものの、海外の治安の悪い国に比べれば日本はまだ安全な国なのでしょうか。
海外の人が日本に来て電車に乗った時に、日本の乗客が座って居眠りをしているのを見ると驚くと言います。海外で居眠りでもしていようものなら、気が付けば持ち物がなくなっているのです。サイフを落として、後で戻ってきたという話を聞くと感動するとも言います。
村落共同体の頃からの伝統は、日本に集団意識を根付かせました。
無尽や講、そして様々な互助制度といった「助け合い」の仕組みができ、「困った時はお互い様」の精神が庶民の間に浸透して行きました。
近年,二重格差の国になりつつある日本ですが、金持ち優遇の風潮を改め、所得の再配分施策などにより、日本人の助け合い精神を取り戻して欲しいものです😊。
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