今朝、バイデン氏が選挙人の過半数獲得し「当選確実」という報が入ってきました。
日本であれば、これで決着ということなのでしょうが、トランプ大統領は勝敗を決定づけたペンシルベニア州の投票の無効を法廷に訴えて徹底抗戦をする可能性が高いといわれています。
個人的には「決まったんだから、もういい加減諦めろよ!」と言いたいのですが、そうでもないらしいのがアメリカ合衆国の面白いところです。
予想以上に、トランプ氏を支持するいわゆる「岩盤支持層」の存在の大きさが
浮き彫りになりました。
私見ではありますが、岩盤支持層の根幹を成す人達は、ヨーロッパからやってきてアメリカ合衆国という偉大な国家を築き上げたという自負を持つ、そして再び自分達の復権を取り戻したいとする白人層だと考えられます。
彼らはオバマ大統領の8年間「黒人に支配された」という感情を持ち、これまで長い間、社会が多様性という方向に傾いてしまったことで、自分たちの生き方を否定されたという思いを強く抱いている人達です。
Mike BriceさんによるPixabayからの画像
しかしこの国を偉大にした背後には、奴隷時代から虐げられて、それでもこの国で生き抜いてきた黒人の人達、そして合法・違法を問わずこの国にやってきて底辺で経済を支えてきたヒスパニック系の人達の貢献を見逃してはなりません。
しかしオバマ大統領でさえ、8年間かけても人種差別の解消には至らなかったほど、白人層の差別意識は解消できない、まさに岩盤のような存在なのです。
トランプ氏の掲げる「Make America great Again (偉大なアメリカを再び)」は「白人層を再び偉大な存在に」と聞こえなくもありません。
今回の大統領選挙をきっかけに、極左と極右の対立の先鋭化などが起こらないよう次期リーダー(バイデン氏?)は手腕を発揮してほしいものです。
混沌とした世界情勢のなかで「世界の警察官」という自負を捨て、「アメリカファースト」を突き進んできたトランプ政権をストップさせられるのか、アメリカの良識が試されます。