団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

憧れの相手を乗り越える

  WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が開催されたここ2週間は、日本チームの戦いに魅了された時間でした。

 

 にわか野球ファンも含めて、日本中がテレビに釘付けになり、アメリカチームに勝利した光景は、長く私たちの記憶に残ることでしょう。

 

 決勝戦に挑む前にミーティングにおいて、大谷選手が「これから対戦するアメリカチームは、野球をしてきた私たちにとって憧れの選手揃いのチームです。しかし、今日一日は彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えましょう」と日本チームの選手たちに訴えました。

 

 日ごろからメジャーリーグにおいて、今回のスター軍団の各選手たちと、しのぎを削る戦いをしている大谷の言葉は、説得力のあるものでした。

       大谷選手

 

 我が身に振り返って、これまでの人生の中で、憧れを抱いた人を乗り越えられたことがあっただろうかと考えてしまいました。

 

 もはや尊敬する“憧れの人”を、向上心を持って乗り越えてやろうなどというエネルギーは、持ち合わせていない我が身を情けなくも思いますが、これからの時代を担って、日本中に夢を持たせてくれるであろう、若いアスリートたちには、一旦あこがれを捨てて、果敢に挑んで勝利した経験は、貴重なものだったに違いありません。

 

 このようなメンタル面での姿勢は、他のスポーツにも通じるのだろうと思います。

 

 例えば、昨年開かれたサッカーワールドカップにおいて、日本チームは世界を驚かせる躍進ぶりでしたが、海外に出て強豪チームのなかで、切磋琢磨する若い日本選手は、ここ数年で飛躍的に増えました。

 

 まだまだサッカーの世界で、ワールドカップで優勝するような力はないのでしょうが、大谷選手が発した今回のメッセージは、他のスポーツの世界で上を目指すアスリートに勇気を与えるものだったような気がします。

 

育児休業制度改革も賃上げ奨励も大企業のためのもの?

 私の次女のパートナー(夫さん)は自営業です。

 

 休みは日曜日のみで、年に何度かはまとまった休みを取るようにして、バランスをとっているようです。

 

 政府は少子化の克服を目指し、育児休業制度を抜本的に改革するとの方針を打ち出しました。

 

 私の現役の頃、知人が初めて育児休業制度を利用して2週間ほどの休みを取った時の話をしてくれたことがありますが、まだまだ周囲の理解を得るのが大変だったと言っていました。

 

 その頃に比べて、夫の育児への協力の重要性は浸透してきたように思います。

     Ranta Fitryさんによるpixabayからの画像

 

  夫婦共稼ぎが当たり前となった現在は、育児のみならず家事を分担して家庭を維持する必要があります。

 

 次女の家庭はどうかというと、何か月かあとには次女の育児休暇も終わり、いよいよ子育てをしながらの生活が始まります。

 

 最近私の家の周辺にいくつかの保育園が新たに出来て、朝夕に子供を送り迎えしている親の姿をよく見かけるようになりました。

 

 果たして次女夫婦の子育ての分担は、どんな風になるのでしょうか。

 

 夫さんの場合、朝夕の託児所への送り迎えに、どの程度時間を割けるのか気になるところです。

 

 春闘の一斉回答が次々と“満額回答”になったことが話題になりましたが、今回の育児休業制度改革の内容をみても、大企業で働く人達をイメージしているような気がします。

 

 賃上げをしたくてもできない中小企業はたくさんありますし、夫さんのような自営業の人達の育児支援がどれほど充実するのかなど、きめの細かい施策の工夫が一層求められるのではないでしょうか。

 

 今年は4月に統一地方選がありますが、人口減少を深刻に受け止めている首長が91%に上っているとの調査結果が出ています。

 

 少子化を深刻に受け止め、国も地方自治体の長も、一層踏み込んだ手立てを実施してほしいものです。

 

 

久しぶりのリアル花見

 花見の季節が近づいてきました。

 

 この3年、コロナの影響でオンライン花見に甘んじていた“花見の会”の幹事さんから、お誘いのメールが届きました。

 

 いつもこの季節になると、開花のタイミングにあわせて開催候補日を決めて打診の連絡がくるのです。

 

 今年は実家の外せない用事で、3月下旬にスケジュールが入ってしまいましたので、バッティングしなければいいがと思っていたのですが、うまく一週間ずれた開催候補日を提示してくれましたので、出席できそうです。

 

 多士済々のメンバーがいますので、いつも話が盛り上がります。

                Jill Wellingtonさんによるpixabayからの画像

 

 あるメンバーから欠席の返事が届きました。

 

 実家に認知症の親を抱えていて、毎週末実家に行って身の回りの世話をしなければならないという理由です。

 

 我が家と同じような事情を抱えているなと思い、同情の念に駆られました。

 

 私は比較的自由が利く立場に置かれていますので、親が何かあればすぐに駆け付けられるのですが、まだ現役の公務員としての仕事を抱えるそのメンバーは、毎週の帰省というのは本当に大変だろうと思います。

 

 この花見の会は12年の歴史があります。

 

 たしか最初の開催は、東日本大震災が起こった年だと記憶しています。

 

 東北の親戚や知り合いの被災状況を心配していたメンバー、仕事の打ち合わせが長引いて、帰宅の交通手段を断たれ、幹事さんの家に寄せてもらったメンバー、ガソリン不足で調達に苦労した方々がいましたが、本当は国内に備蓄が豊富にあったことを説明してくれた業界の方、震災にまつわるいろんな話題に花が咲いたものでした。

 

 今回はコロナ禍の3年間を過ぎて、メンバーの皆さんそれぞれにコロナ前とは違った生活様式で過ごされていることでしょう。

 

 一昨年と昨年はオンライン形式で開催され、それぞれ自らに起きた変化などは紹介し合ったのですが、久々に直接お会いしての“リアル花見”ともなれば、ひときわ話も盛り上がるに違いありません。

 

別れと出会いの季節がやってきた

 職場の若いスタッフが4月から転職することになりました。

 

 私は時々しか出勤しないので、久々に会って尋ねたら、某社グループ内の派遣社員の異動にまつわる支援や相談の仕事に就くことが決まったとのことでした。

 

 行政からの委託をうけた事業を中心に行っている今の仕事では、なかなか処遇の改善を行ってやることができませんので、毎年有能な若いスタッフから転職してしまいます。

 

 私たちの行っている仕事は、やりがいはあるようなのですが、自分の将来のことを考えると、いつまでも踏みとどまることができないといいます。

 

 私は直接関わっていないのですが、補充人員の募集をかけてはいるのですが、なかなか応募してくれる人は少ないようで、担当者は苦労しているようです。

                               Hermann Traubさんによるpixabayからの画像

 

 限られた予算のなかで、求めに応じて行政サービスの領域は増えるばかりのなかで、携わる人達の報酬を引き上げるのは難しいのでしょうが、このまま続けば支える人達を確保するのは困難になるだろうと懸念しています。

 

 世間では大企業を中心に、賃上げの機運が盛り上がっているようですが、委託サービスを中心に運営しているNPO法人などは、ますます立ち行かなくなるでしょう。

 

 国、地方自治体を問わず、かなりの数の非正規公務員と言われる人たちが働いています。

 

 同一労働・同一賃金が叫ばれる中、最近になって彼らの処遇や待遇を改善する動きが出てはきましたが、予算が限られている中での見直しには限りがあるようです。

 

 ましてや公共サービスの一部を担い、委託という形で働いているNPO法人などのスタッフは、最低賃金すれすれの報酬で甘んじているのです。

 

 日本全体の賃金の低さが問題になっている中、公共サービスを担う彼らに光を当てることを切に願っています。

 

 辞めていくスタッフの補充もままならないまま、まもなく新年度を迎えようとしています。

 

 

 

 

新生児の子育て環境が良くなることを願う

昨年生まれた新生児は、ついに80万人を切ってしまったようです。

 

 少子化に歯止めがかかりません。

 

 私の孫は昨年11月に生まれたのですが、貴重な新生児となりました。

 

 先週も夫さんが休みの日に、我が家の近くまで来てくれて、一緒に食事をしたばかりだというのに、長女に新しい動画を送ったところ、顔を見に行きたいと連絡をしてきて、今週末も長女と一緒に押しかけることになりそうです。

 

 次女は、出産休暇を終えた後はおそらく復職するつもりなのでしょうが、孫の顔を見るにつけ、子育てとの両立をどのようにするつもりなのか、心配になってきます。

 

 一時期問題となった保育園不足は、ここにきて随分改善されてはきているようですが、乳児の段階で預かってもらえる施設はどの程度整備されているのでしょうか。

 

 異次元の少子化対策などと、岸田政権はスローガンを掲げていますが、子どものどの年齢段階でも、安心して預かってもらえるような環境整備が急がれます。

 日本では長い間、子育ては親の責任という考え方がベースになって、母親は乳幼児の段階では、仕事を離れて家庭に入り、子育てに専念するというパターンが主流でした。

 

 しかし共稼ぎが当たり前の社会となった今では、日中は子どもを預けて仕事をすることができる環境が求められています。

 

 待遇が改善されないまま、たくさんの乳幼児を預かる保育士さんは大変なのだろうなと推測します。

 

 なかにはストレスがもとで、預かった子に虐待をしてしまうといった事件も時折耳にします。

 

 昨日長女とともに次女宅を訪ねてきました。

 

 次女は予定を早めて復職しようと考えているといいます。

 

 そのために、環境を整えようと引っ越しも検討しているとのこと。

 

 あまり余計なことを言うつもりはありませんが、生後5か月の子のために、最適な環境を考えてほしいものだと願っています。

 

 長女が抱っこしながらあやしていると、大きな笑い声を発して喜んでいます。

 

スキーをする叔父に脱帽

 先日、両親の様子を見に実家を訪れると、庭に一台の車が止まっています。

 

「来客かな?」などと妻と言いながら、傍の公園にひとまず車を停車させました。

 

 荷物の一部を抱えながら、庭に入っていくと、その車には赤いヘルメットが積んであるのが見えました。

 

 若い人が実家を訪ねてくるのは珍しいなどと、怪訝に思いながら玄関を開けます。

 

 すると近くの都市部に住む叔父が訪れていて、父と談笑していました。

 

 この叔父は何かにつけてよく父の所に来てくれます。

 

 聞けば、スキーに行った帰りに立ち寄ったといいます。

 

 いつもは仲間と行くのだそうですが、今回は一人で行ってきたそうです。

 

 よく喋る叔父で、お互いの近況報告にしばし花が咲きました。

 

 父の兄弟は、以前は時折実家の近くの旅館に集まっては、兄弟会を催していました。

 

 しかし齢を重ねるにつれ、末弟が亡くなり、隣の家の叔父や私の父も相当に老け込んでしまっています。

 

 この叔父は80歳になるのですが、普段はパソコン教室の先生をしたりして、活躍しているといいます。

 

 その合間に冬の季節はスキーを楽しんでいるようです。

 

 季節がよくなると山登りにも出かけていて、そういえば私が中学生時代の仲間と山登りをした帰りに、ドライブインのようなところでバッタリ会ったことを思い出します。

 

 最近は実家通いを頻繁にしているせいもあり、私は山登りもスキーもご無沙汰してしまっています。

 

 体を動かす趣味から一旦ご無沙汰してしまうと、再び始めようという気には、なかなかなれません。

 

 寒さが厳しいこの季節に、山に踏み込んでスキーをしようとなれば、なおさら行ってみようなどと言う気にはならないのです。

 

 またスキーをして疲れたあと、老いた兄の様子を見に立ち寄ってくれることにも感謝です。

 

 80歳まで生きられるとしたら、私も叔父のように活発に動き回れるでしょうか?

 

 忙しさにかまけて、体を動かすことをサボって老け込まないよう、私も叔父を見習わなければならないと思っています。

 

 

中国の農村部老人の貧困が深刻

中国では高齢者の自殺率が高いことが問題となっています。

 

 特に農村部の老人の自殺率が高いようです、若い人が出稼ぎのため都市部へと移り住み、老人だけが農村部に取り残されているのです。

 

 しかも都市部で働く若い人達も十分な所得を確保できる層ばかりでなく、ギリギリの生活を強いられている人達も多くいて、農村部に残された親への仕送りもままならないケースが多く、経済的困窮状態に追い込まれてしまうことが、自殺の引き金になることも多いようです。

 

               andrea candrajaさんによるpixabayからの画像

 

 中国の公的年金制度は、本人の戸籍(都市戸籍/農村戸籍)や、就業の有無により、大きく2つに分類されています。

 

 農村の高齢者の受け取る年金は、日本円で約5千円ほどだといいます。

 

 中国の高齢者の老後の理想的な過ごし方は、子どもと一緒に住みながら孫の面倒をみるかわりに、経済的には子の世話になって暮らすというもののようです。

 

 しかし農村部の高齢者の多くは、孤立化したなかで、経済的困窮のなかでの暮らしを強いられているのです。

 

 当然、習政権でもこれらを問題視していますが、都市部で働く子供たちに「定期的に親の様子を見に、実家に行くように」といった、道徳的な指導しかしていません。

 

 また2019年の4月に中国社会科学院が公表した報告書によれば、サラリーマンら3億4千万人が加入する「全国都市企業従業員基本年金」の収支状況の資産によれば、年金の積立金は2035年に底をつくとされ、若者の間で不安が広がっているといいます。

 

 日本も人ごとではないのですが、日本は30年以上も前から、高齢化社会の到来を見越して、介護保険制度の導入や年金保険料のアップといった対策を講じてきました。

 

 中国でこれから3億~4億もの高齢者を支える制度を構築することは、容易なことではありません。

 

 また都市部と農村部の格差は拡大する一方で、“不平等な社会主義”が現実のものとなっています。

 

 軍事費を毎年のように増額し、他国との緊張関係ばかりを作り上げるよりは、軍事費予算を高齢者対策に振り向ければ、大勢の民を救うことができると思うのですが…。