団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

中国の農村部老人の貧困が深刻

中国では高齢者の自殺率が高いことが問題となっています。

 

 特に農村部の老人の自殺率が高いようです、若い人が出稼ぎのため都市部へと移り住み、老人だけが農村部に取り残されているのです。

 

 しかも都市部で働く若い人達も十分な所得を確保できる層ばかりでなく、ギリギリの生活を強いられている人達も多くいて、農村部に残された親への仕送りもままならないケースが多く、経済的困窮状態に追い込まれてしまうことが、自殺の引き金になることも多いようです。

 

               andrea candrajaさんによるpixabayからの画像

 

 中国の公的年金制度は、本人の戸籍(都市戸籍/農村戸籍)や、就業の有無により、大きく2つに分類されています。

 

 農村の高齢者の受け取る年金は、日本円で約5千円ほどだといいます。

 

 中国の高齢者の老後の理想的な過ごし方は、子どもと一緒に住みながら孫の面倒をみるかわりに、経済的には子の世話になって暮らすというもののようです。

 

 しかし農村部の高齢者の多くは、孤立化したなかで、経済的困窮のなかでの暮らしを強いられているのです。

 

 当然、習政権でもこれらを問題視していますが、都市部で働く子供たちに「定期的に親の様子を見に、実家に行くように」といった、道徳的な指導しかしていません。

 

 また2019年の4月に中国社会科学院が公表した報告書によれば、サラリーマンら3億4千万人が加入する「全国都市企業従業員基本年金」の収支状況の資産によれば、年金の積立金は2035年に底をつくとされ、若者の間で不安が広がっているといいます。

 

 日本も人ごとではないのですが、日本は30年以上も前から、高齢化社会の到来を見越して、介護保険制度の導入や年金保険料のアップといった対策を講じてきました。

 

 中国でこれから3億~4億もの高齢者を支える制度を構築することは、容易なことではありません。

 

 また都市部と農村部の格差は拡大する一方で、“不平等な社会主義”が現実のものとなっています。

 

 軍事費を毎年のように増額し、他国との緊張関係ばかりを作り上げるよりは、軍事費予算を高齢者対策に振り向ければ、大勢の民を救うことができると思うのですが…。