団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

コロナが怖いか、熱中症が怖いか

 

 連日の猛暑で、日中の外出はこのところ、できるだけ控えています。

 

 熱中症患者数も急速に増えているようで、エアコンが故障した部屋で亡くなっていた女性高齢者の方とか、自転車に乗ったまま亡くなっていた男性高齢者などというニュースを聞くたび、身の危険を感じ、身構えてしまいます。

 

 コロナ対策のため、マスクを付けながら、熱中症にも気を付けるのは本当に酷だと、外出の度に実感しています。

 

 環境省・厚労省はここにきて、熱中症予防のため、「屋外で人と2ⅿ離れている時には、マスクを外しましょう」と呼び掛けていますが、屋外にでて歩いている時には、しょっちゅう人と行きかうことが多いので、頻繁に付けたり外したりするのも面倒です。

 

 それでマスクを付けっ放しでいたりすると、熱中症のリスクが高まります。

 

 なので外出がおっくうになってしまうのです。

 

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    CouleurさんによるPixabayからの画像

 

 熱中症で亡くなる方が1500人を超える数ですから、現在の新型コロナウィルスによる死者数(8月14日現在・1099人)をはるかに上回る数字です。

 

 高齢者に属する私にとっては、2つのリスクと当分の間、戦っていかなければなりません。

 

 熱中症の場合は、人に移すということはないのですが、新型コロナ感染同様、やはりなると厄介です。

 

 巨額の電気料金が請求されるのを覚悟しながら、エアコンをガンガンつけて家で過ごすのが一番間違いないようです。

 

 この先気掛かりなのは、8月下旬に手術予定の父親のことです。

 

 入院するまでには様子を見に行こうと考えているのですが、ウィルスに感染させてしまうと手術が出来なくなりますから、最新の注意を払わなければなりません。

 

 最近では家庭内感染が増えているといいますから、実家に行っても一緒に過ごす時間を最低限にし、食事の際にも注意を怠ってはならないと思っています。

 

 高齢者から超高齢者に感染させたのでは、シャレになりませんから…😊。

 

 8月いっぱいは高温の日が続きそうだとの予報がでています、今年は本当に例年にも増して酷な夏です。

 

 

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コロナ禍で集団生活を送ることの難しさ

 夏の選抜高校野球が中止となり、全国の高校球児が絶望の淵に追い込まれました。

 

 甲子園球場の土を踏むことを夢見て、研鑽を積み、青春を捧げてきたのですから、目標が突如失われた時の喪失感は計り知れないものだったでしょう。

 

 これを見るに見かねた高校野球関係者(日本高野連)は、選抜出場を決めていた全32校を甲子園球場に招待し、8月10日から交流試合がスタートしました。

 

 優勝を目指して勝ち抜いていくというドラマはないにしても、精一杯のプレーを見せてくれています。

 

 試合を終えた球児たちの、やり遂げたという笑顔が印象に残りました。

 

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      PezibearさんによるPixabayからの画像

 

 そんな中、松江市の立正大淞南⁽しょうなん⁾高校の男子サッカー部を中心に新型コロナウィルスの大規模なクラスターが発生しています。

 

 これを受けて、部員が寮生活を送る全国の高校サッカー部は対応に追われ、対外試合の中止などが検討されているといいます。

 

 ここでオヤっと思ったのは、高校時代にスポーツに打ち込む生徒たちのほとんどが合宿生活・寮生活を送っているはずですから、サッカー部に限った話ではないのではないかということです。

 

 新型コロナ騒動後、集団生活を支える関係者は、感染防止の施策を講じているはずですから、このクラスターの発生はさらなる防止策を問われようとしています。

 

 エネルギーに満ち溢れた高校生のことですから、集団生活での中で、一旦コロナウィルス感染が起きてしまえば、感染スピードも通常より早いことが推測できます。

 

 スポーツの世界で、集団生活を送りながら技術と力を磨いていくことは、必要不可欠のように思えます。

 

 一方で、体力に満ち溢れた若者が、集団生活をおくる際の、感染防止の難しさはあり、市中感染が広まっている中では、今後もスポーツ分野でのクラスターの発生が起きる可能性は高いと思われます。

 

 せめて、甲子園で繰り広げられている交流試合が、ウィルス感染などが起きることなく、無事、全チームが試合ができることを祈るばかりです。

 

 

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セミの一生、ミミズの一生

【昔からの住処に戻り一生を終えるセミ】

 一年で一番暑いこの時期、年寄りにとっては、比較的気温の上がらない早朝が活動時間です。

 

 この時間の散歩は気持ちがよく、一日の中での至福の時間です。

 

 しかし、気になることがあります。

 

 それはセミとミミズの死骸をそこかしこで見かけることです。

 

 まず出会うのは仰向けになったセミです。

 

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 私の住む場所は、もと林だったところを切り開いて建てた集合住宅ですが、林だった頃に住処だった記憶が、今のセミの遺伝子に組み込まれているかのように、階段や通路のあちこちに仰向けになって生涯を閉じようとしています。

 

 なかにはまだ命があり、そばを通ると、最後の力を振り絞って暴れだすセミもいます。

 

 セミは生涯の99%以上を土の中で過ごし、わずか一週間ほど地上で過ごし、生涯を閉じるといわれています。

 

 セミは「のんびり屋」の性格のようです。

 

 セミの幼虫の成長期は年に2回で、それぞれ一か月程度の期間しかないことから、なかなか成長しないのです。

 

 せっせと樹液を吸えば、大きくなって早く成虫になり外に出られるものを。

 

 さらに気温や栄養の関係で成長が遅れると、「もう来年でいいや」と成虫になることを諦めてしまうのだとか…😊。

 

【路上で干からびて死んでいるミミズ】

 

 散歩を始めてから気になるのは、アスファルトの路上で干からびて死んでいるミミズです。

 

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「何もこんなところに出てきて、死ななくてもいいものを…」と思った方も多いのではないでしょうか。

 

 環形動物のミミズは、呼吸のための装置を持っておらず、からだの表面全体で呼吸をしています(皮膚呼吸)。

 

 呼吸器が無いために、雨水が溜まった土の中ではやがて息苦しくなります。

 

また、土が太陽光で熱くなった時、体温調節のできないミミズは必死で地上に這い出てしまうのです。

 

目の無いミミズにとっては、最も危険な生きるための逃避。それで生命を落とすことになるのです。

 

 干からびたミミズの姿、それは、生きようと必死にあがいた彼らの軌跡ともいうべき姿なのかもしれません😢。

 

 

 

都市集中の弊害と Withコロナ社会

 相変わらず東京一極集中が止まりません。

 

 今年1月1日現在、東京の人口増加率は、0.52%で44道府県の人口が減少するなか、ほかに増加した沖縄県(0.16%)、神奈川県(0.05%)と比べても突出しています。

 

 ますます東京が「人口が密」になることは、新型コロナ・ウィルス感染拡大が菅官房長官をして「これは東京の問題だ」と言ったことと重なっている気がします。

 

 ニューヨークで感染爆発が起こっていた時、ニューヨーク在住の日本人医療関係者の何人かが「今後、東京においても同じ状況が起きる」と警告していたことは記憶に新しいところです。

 

 緊急事態宣言が出され、真面目な日本人は「ステイホーム」や「3密を避ける生活」を行い、一旦は収まりを見せたかのような状況にまでなりました。

 

 しかし「夜の街」を中心に、再び感染拡大が起こり始め、3密防御の隙をついてあちこちに感染が伝播し出しました。

 

 いまや東京圏のみならず、全国の主要都市で感染拡大が起きています。

 

 この新型コロナ・ウィルスとの共生は容易ではなく、徹底した「密を防ぐ」生活様式が求められ続けていく気がします。

 

ありとあらゆるものが,土台からぐらつきはじめているのを痛感しています。

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     andrea CandrajaさんによるPixabayからの画像

 

 ウィルスが、東京一極集中が止まらないことに、感染拡大という形で警鐘を鳴らしているかのようにも見えます。

 

 欧米各国のなかで、相対的に今回のコロナによる死者数が少ないのがドイツです。

 

 ドイツは国全体が「分散型」システムとしての性格を持っているといわれています。

 

 ベルリンやハンブルクのような人口規模の大きい都市が存在するものの、全体として中小規模の都市や町村が広く散財しており、「多極的な空間構造」となっています。

 

 AIの分析によれば、これからの日本や世界が持続可能であるためには、「都市集中型」のシステムから「分散型システム」への転換を図っていくことが急務だという結果が出たようです。

 

 そういえば石原さんが都知事だった頃、首都移転が検討されたことがありましたが、インフラの未整備等を理由に石原さんが案を一蹴し、その後移転問題は、急速にトーンダウンしていったことを記憶しています。

 

 この国は長期的視野にたった国造りを、粘り強く検討し続けるという熱意が足りないような気がします。

 

 

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「帰ってこなくていい」という親、「帰ってこい」という親

 お盆で故郷に帰省する時期になります。

 

 西村経済財政・再生相は、帰省のための移動について「慎重に考えないといけない」と発言しましたが、菅官房長官は「県をまたいだ移動について一律に控えて、と言っているわけではない」と足並みの乱れがみえます。

 

 我が家の場合は、8月下旬に父の入院、手術が決まっているので、それに合わせて帰省しようと予定しています。

 

 ゴールデンウィークには自粛期間でしたので、行かなかったのですが、母は孫に会いたい一心で、電話をしてきたものでした。

 

 同様にゴールデンウィークに帰省を控えた人の中には、お盆の帰省をどうするか,大いに迷う人が多いのではないでしょうか。

 

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   My pictures are CCo When doing composingsさんによるPixabayからの画像

 

 まだそれほど感染がひろがっていない地域は、危機感をあまり感じていない高齢者も少なくないと聞きます。

 

 そのような人たちの中には、長い間会えていない家族とそろそろ会いたいという気持ちが勝ってしまい、「帰ってきなさい」と言う人がいると思います。

 

 しかし全国的感染拡大の状況を懸念し、「帰ってこなくていい」と子や孫に伝える親もいることでしょう。

 

「人様に迷惑をかけてはいけない」という信条を日頃から持っている高齢者も、子や孫が返ってくることで、地域の人たちに感染してしまうことを恐れるはずです。

 

 これから若い人がお盆に帰省することで、高齢化率の高い地域に感染が拡大するかどうかは、その後の結果をみないと分かりませんが、重傷者の増加による地域医療への負担が急増するのは何としても避けたいものです。

 

 そのことを踏まえて、お盆の帰省を検討する側は、迎える親側の「帰ってこい」という発言に対して、立ち止まって冷静に考える必要があります。

 

 これからしばらく猛暑が続きます。

 

 マスクをしての例年にない今年の夏は、ウィルス感染と熱中症という二つのリスクと闘いながらの、かつてない苦しい夏になりそうです。

 

 そんな中、妻は昨日、職場で3人目の感染者が出たということで、今日からしばらく仕事を休むと言っています。

 

 そこかしこで感染がじわりじわりと進行するなか、お盆が近づいてきます。

 

 

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コロナウィルスの恐怖と父親の入院

【身近に忍び寄るコロナウィルス感染】

 

 家族の勤務する職場で感染者が出たようです。

 

 妻の勤める職場では、管理職クラスの人が感染したようですが、職場内でも一部の人にしか名前が明かされず、働く人達には不安が広がっています。

 

 ただ妻たちには直接接触機会のある人ではない、とだけ知らされているようで、少しだけ動揺は抑えられているようです。

 

 上の娘の勤務する職場では、同じビルの別の会社で感染者が出たらしく、先日館内消毒のため、2日ほど休業を余儀なくされたといいます。

 

 このところの急激な感染拡大は、東京の問題とか、夜の街の問題とかといった域を超えて、全国規模、全世代に広がりを見せていますから、もはやどこで感染してもおかしくない状況に入っているのでしょうか。

 

 市中感染が広がっているとすれば、マスクで感染を防ぐことは限界があります。

 

 マスクは人にうつさない効果はあっても、マスクの隙間からのウィルス侵入を防ぐことはできないでしょうから…。

 

 私も高齢者の一人ですから、感染し重症化することへの恐怖はあります。

 

 外に出るときには、人との「蜜の接触」は避けなければなりません。

 

 いや外に出る機会をもっと減らした方がいいのでしょうか。

 

 現在、高年齢者に重症化する人が少ないのは、極力外に出ないようにしているからかもしれません。

 

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TinaHaderさんによるPixabayからの画像

 

【突然の父の入院】

 

 外出自粛期間を含めて、しばらく実家を訪れませんでした。

 

 そうしたところ実家から連絡があり、胆石の手術で父が入院することになったとのこと。

 

 手術とその後の回復期間含めて、一週間から十日程度の入院になりそうです。

 

 その期間、介護が必要な母親をどうするかが大きな課題となってきました。

 

 コロナウィルス感染を防ぎながら、手術をするとなると、家族の病院への出入りにも制約が出ますので、準備を手伝うためにも、しばらく実家に行ったり来たりの生活に入りそうです。

 

 母親は現在、週2日のデイサービスに行っているだけで、ショートステイ(施設短期入所)の経験はこれまでありませんでした。

 

 今回の父の入院をきっかけに、ショートステイを母親が受け入れてくれるかどうか、頭の痛い問題になりそうです。

 

 

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日本人は、地球上最も危険な場所に住み続けている

 昨日、電車に乗っている時、私を含め乗客全員の携帯・スマホが一斉に鳴り出しました。家にいる時、家族全員のスマホが鳴り出す経験は時々ありますが、何十人ものスマホが鳴り出すと、一瞬電車内でコンサートが始まったかのような錯覚に陥ります😊。

 

 激しい揺れが来るものと身構えましたが、何事もなく、しばらくして電車のドアが締まり、走り出しました。

 

 後から聞けば、この警報のあと、揺れらしき揺れは発生せず仕舞いで、誤報を認め、気象庁が謝罪していました。

 

 地震予知に失敗したからといって、いちいち謝らなくてもいいと思うのですが…😊。

 

 地震の予測は難しいといわれているなかで、「電離層前兆予測」という京大の研究があるようです。

 

 この予測方法だと、大地震なら1日前もしくは数時間前に予測可能だというのです。

 

 京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授は「我々の研究はすでに実用可能に近い段階にきています。現在までの研究成果だけでも、マグニチュード6以上の地震は、1日もしくは数時間前に予測することができます」と断言しています。

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  David MarkさんによるPixabayからの画像

 

【電離層前兆予測とは】

以下、梅野教授の解説をご紹介します。

 

 カギを握るのは「電離層」。地上から約80キロ~千キロのところにある大気上層のことで、いわゆる宇宙は電離層の外にあり、電離層の下にはオゾン層があります。

 

「電離層の変化と大地震の関連について研究し始めたのは、東日本大震災がきっかけ。震災が起こる前の電離層のデータを分析すると、地震発生の約1時間前に電子数が異常に増加していることが分かったのです」

 

「震災前のこうした変化は、八ヶ岳南麓天文台長でアマチュア天文家の串田嘉男さんも観測しています。彼は、本来聞こえるはずのない地域で仙台のFM放送の電波を受信したと発表しました。AM放送より高周波で、限られた地域でしか聞くことのできないFM放送が震災前に離れた場所で聞こえたということは、仙台上空付近の電離層に変化があった可能性を示唆しています」

 

 電離層は電波を反射する性質を持っており、

「テレビやラジオなど電波を用いた通信は電離層のこの性質を利用しています。震災前に離れた場所で仙台のFM放送が聞こえたのは、仙台上空と八ヶ岳を結ぶ中間点の電離層の電子数が増加していたため、FMの電波がより遠くまで届いたのではないか、と考えられるのです」

 

(ではなぜ地震発生前に上空の電離層が変化するのか?)

「電離層の電子数はフレア(太陽表面での爆発)などの太陽の変化に大きな影響を受けるという特徴がありますが、同様に地球のエネルギーの変化にも影響を受けることが分かっています」と、梅野教授。

 

「大地震とは、簡単に言うと、プレートがずれる動きによって岩盤に蓄積されたひずみを解放するために、岩盤が破壊される動きによって起こります。ひずみが蓄積される間、つまり地震発生前にもその地震エネルギーは少しずつ解放されます。それは、熱エネルギーや電気エネルギーに変換されて解放されますが、その際、電磁波が発生する。上空の電離層は、その電磁波の影響を受けて電子数に変化が起こると推測されているのです」

 

(電離層の変化がフレアによるものなのか地震エネルギーの解放によるものなのかをどう判別するのか?)

「我々が19年に発表した研究では、16年に発生したM6・4の台湾南部地震を取り上げました。その中で、地震が起こる前の複数の人工衛星のデータを解析すると、震源地付近をある特定の入射角で通る人工衛星のみが電離層の電子数の変化を捉えていたことが分かったのです」

 

 これにより、震源地上空の電離層の電子数の変化は、他の要因ではなく地震の前兆現象であることが明確になった。なぜなら、

「フレアではその影響が広範囲に及ぶため、震源地付近を通る特定の入射角の人工衛星だけではなく、別の人工衛星でも電子数の変化が捉えられているはずだからです」

 

 現在は京都大学の花山天文台や潮岬の観測所、準天頂衛星システムの「みちびき」やイオノゾンデという観測レーダーを使ってデータの収集をしているという梅野教授。さらに多くのデータを集められれば、より精度の高い地震予測を実現できるといいます。

 

【台湾では国家プロジェクト、日本は?】

 その将来性に期待を抱かせる「電離層前兆予測」。ただ、そこには難もあります。

 

 この予測方法は国の支援を全く受けられない中で研究が続けられているのです。

 

 日本地震予知学会会長で東海大学教授の長尾年恭氏は次のようにいっています。

 

「東日本大震災は地震研究に大きな変化をもたらしました。まず、あの震災を全く予測できなかった国の地震予知研究に厳しい評価がなされました」

 

「それを受け、13年の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの下に設置された調査部会で『現在の科学的知見からは、確度の高い地震の予測は難しい』などの見解を発表。さらに、17年の内閣府・中央防災会議に設置されたワーキンググループでも同様の結論を発表しました。つまり、国は南海トラフをはじめとする巨大地震は、予測不可能だと結論付けたのです」

 

 その一方、東日本大震災後、地震学者だけでなく異分野の専門家が予測に関する研究に参入するようになった。その一人が梅野教授だ。

 

「東日本大震災は、発生の40分前から電離層に兆候があったことが明らかになっています。つまり、電離層の変化を観測し続ければ今後大地震の直前予測が可能になるかもしれないと判明したのです。しかしながら梅野教授らの研究内容が発表されたのは15年頃。国が地震の予測は不可能だと、負けを認めてしまった後のことでした」

 

 地震研究の「総本山」である東大地震研究所は、もとより短期予測の研究に熱心ではなかったというが、

「それでも30年以上前には短期予測に取り組む研究者も今よりは多くいました。短期予測から長期予測に転じたきっかけは阪神・淡路大震災です」

 と、長尾氏が続けて語る。

 

「日本では1923年の関東大震災以降、本格的な地震研究が続けられてきました。にもかかわらずあの震災の発生を予測できなかった。このことは地震研にとっても相当ショックだったようです。地震現象には未解明な部分がまだ多いと考え、予知より発生メカニズムの解明など基礎研究重視に舵を切ったのです」

 

 とはいえ地震予測という考え自体を捨てたわけではなく、

「『30年以内に70%の確率で南海トラフ地震が起こる』といった長期予測は今後も出されます」

 

 では、日本以外の国はどうなのか。世界を見渡せば、短期予測に関する研究が進んでいる国もあるといいます。

 

「中国やロシアはアプローチが異なっています。中長期予測は地震学者が、短期予測は物理学者が担う、と役割が分かれている」と長尾氏。

 

 また、台湾では電離層の変化と地震予知に関する研究を17年から国家プロジェクトとしてスタートさせている。国からの研究費がビタ一文出ない日本とは雲泥の差なのです。

 

 先の梅野教授は、

「地震予測を行うには、リアルタイムのデータを集める必要がある。全国に1300カ所ある電子基準点の測位衛星データを利用することができれば予測の精度が格段に上がると思います」

 として、こう訴えます。

 

「国土地理院はこのリアルタイムデータを1カ所あたり月2万円で有償提供しています。1カ月で2600万円ほどかかるこの費用を、我々の研究費から捻出することは難しい。地震予測という多くの国民の人命を救う研究なので、せめてこのデータを無償で使わせてもらえたら、と思わずにいられません」

 

この声が我が国の中枢に届くのはいつの日なのでしょうか。

 

 日本は地震大国なのですから、遅れをとってはならないでしょう😢。 

 

 

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