GDP(国内総生産)がドイツに抜かれて日本は第4位になりました。
色々な要因はあるのでしょうが、おしなべて日本経済の実力はじりじりと低下しているようです。
そんな中、先週日経平均株価は、1989年12月に記録した最高値3万9156円を34年ぶりに更新したと話題になりました。
前回のバブルの時期とは様相が違うという期待感もありますが、一方で警戒する声もあります。
本当に日本経済は復活できるのかと…。
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これまで日本企業が低迷を続けてきたのは、資金に余裕があるにもかかわらず、投資を怠ってきたことが原因だといわれています。
過去10年間をみても、配当は約2倍に増加していますが、投資は停滞したままでした。
かねてより人本主義経営を提唱してきた経済学者の伊丹敬之氏(一橋大学名誉教授)は、アメリカ流の株主資本主義に惑わされて配当を支払いすぎ、従業員を大事にする経営を忘れたことが、日本企業の低迷を招いたと主張しています。
伊丹氏の主張通り、賃金への支払いはほとんど増加してきませんでした。
そして内部留保を溜め込むばかりで投資が停滞してきたのは、自らの会社の成長をイメージできない想像力の欠如に由来し、原因は堅牢なほどに保守化した企業風土とアニマルスピリットの欠如にあると伊丹教授は指摘しています。
まもなく新年度にむけての賃上げ交渉(春闘)が始まります。
企業が本来のかたちを取り戻し、人を大事にする経営に舵を切るためにも、大幅な賃金の引き上げを実現してほしいものです。
そして従業員の能力を引き出し、優れた製品やサービスを“安売り”することなく、自信を持って価値に見合った値段で提供していかなければなりません。
“安い国”日本から抜け出すためにも、企業も個人もチャレンジ精神を発揮して、GDPが4位でも5位になっても、そんなことに関わりなく、きらりと輝く国づくりを目指したいですね。
次代を担う子供達のためにも。