私は若い頃は花粉症とは全く無縁でした。
職場の同僚に花粉症の人がいて、苦しそうに呼吸をしているのを見て、なぜ花粉ごときにそんなに反応するのかと不思議でした。
ある時、皆で旅行に行った時に、花粉症の同僚が「この先に杉林がある」と呟きました。
しばらく車を走らせると、はたして本当に杉林があった時には、こんなに敏感に感じるものなのか、などと妙に感心したことを思い出します。
そんな私がこの年になって、スギ花粉に反応するようになりました。
季節外れの温かさが続く昨日今日、気象予報の番組ではスギ花粉が本格的に飛散をはじめたと報じています。
私の鼻は、すでにひと月ほど前から、敏感に花粉の飛散に反応して、朝起きると何度もくしゃみをしていました。
これから大量の飛散がはじまるというのですから、どんな風になってしまうのかと脅威を感じています。
「雪解けと同時に積もる紙の山」……かつて協和発酵が募った花粉症川柳の一作品です。
我が家も妻ともどもティッシュペーパーを朝から大量消費しています。
妻は昔から花粉症に悩まされていましたから、早々と耳鼻科に行って薬を調達していますが、私は未だに「自分が花粉症であるはずがない」などと抵抗を続けていて、花粉症の薬は全く服用していません。
ただ出かける時には、くしゃみに加えて鼻水が止まらなくなる時のために、いくつものポケットティッシュを用意するようにしています。
いまや国民病ともいわれる花粉症ですので、私もようやく人並みの身体になってきたのでしょうか。
様々な花々が芽吹き、春の気配を感じるこれからの時期は、私の大好きな季節なのですが、におい立つ花々の気配を受け止める本来の鼻の役割は、せめて維持したいものだと願うばかりです。
昨日は“春一番”が吹きました、今朝も風が吹き荒れていますが、花粉をすべて吹き飛ばしてどこかに押しやってくれ~っと思っています。