母の怪我は、当初電話で父に聞いた様子より深刻なものでした。
トイレには腕を擦りむいた時の出血の痕が残っていました、それより頭を打ってできた瘤が膨れ上がり、医者も後遺症を心配して一ヶ月から二か月程度、入院加療が必要と判断したようです。
実家に到着後、面会して様子を見たいと思っていたのですが、コロナの再拡大の動きもあり、すぐの面会はかないません。
仕方なく病院の相談員とやりとりをして、当面必要なものをリストアップしてもらいました。
これまで何度も入院経験があるので、その際使用した備品が実家に残っているかと思いきや、父がどこかに仕舞ってしまい、直ぐには見つからないものが多く、それらを翌日買い揃えることにしました。
父は書類のファイリングとか、荷物を分類して箱にラベルを貼ったりするのは好きなのですが、いざ必要な時に取り出そうとすると、どこに仕舞ったのか忘れて思い出せないことが多く、新たに買った方が早いのです。
翌日買い物を済ませて病院に届け、父の4日後の面会予約を取ろうとしたのですが、入院病棟が担当だというので、家に戻って予約をとることにします。
私たちはそれまでいられませんので、父一人での面会になります。
面会の予約を私が取り、その際に洗濯物をまとめて袋に入れて持って帰るよう妻が父に説明します。
病院とのやりとりの一部始終を、電話でケアマネジャーに報告をして、当面はこのまま様子をみることにしました。
芙蓉の花
庭には芙蓉の赤い花が咲き誇っています、春先から今年は絶えることなく何かの花が咲いていると父が自慢気に話していました。
母がいない間も、父はせっせと家事をこなし、庭の手入れに勤しむことでしょう。
そんな父に、当面は芙蓉の花が慰めになってほしいと思いながら実家を後にしました。