団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

温泉地は生き残れるのか ~その2~

 実家のある温泉地に近づいてきました。高速を降りて下道をしばらく走っていると実家のある山あいの方角が灰色の雲に覆われています。予報通り夕立が降っているようです。

 

 夕立の降りしきる山道を入っていくと、さっきまでうだるような暑さだったのが嘘のように、ぐっと涼しく感じられます。

 

 最近は夕立が降る日が続いているせいか、木々が水分を溜め青々としています。

 

f:id:dslownin:20200825095030j:plain

  My Pictures are CCo When doing composingさんによるPixabayからの画像

 

 午後3時をまわった時間になります。

 

 いつもだと土曜日のこの時間帯は、お目当ての宿泊場所に向かう車で、結構混み合うのですが、この日は非常に空いています。

 

 温泉街に入っていき、ここで最も大きな温泉ホテルを通りかかり、駐車場をみると結構な車が止まっています。

 

 心配していた客の入りもまずまずか、などと思いながらホテルの前を走り過ぎます。

 

 実家に着く頃には一旦夕立がやみました。車を庭先に滑り込ませると母のデイサービスからの帰りを父が待っているところです。

 

父は汗をかいただろうから風呂に行ってこいと言います。実は私たちは理由あって風呂を済ませてから、実家にアプローチしたのです。

 

風呂に行くとは、各町内にある共同浴場のことです。

 

コロナ感染が収まりきらない今、共同浴場に行って近所の高齢者に感染させたなどということは、絶対避けなければなりません。

 

そこで妻の提案で、高速を降りてまもなくのところにある市営の温泉を利用することにしたのです。そこは入場の際に、検温とアルコール消毒もしっかり行っているので安心です。

 

 超高齢の父母は午後3時~4時には風呂に入り、5時には夕食、6時過ぎは床に就くという生活をおくっていますので、それにあわせ早々に夕食の支度にとりかかります。

 

 夕食ができる間、しばし温泉街の状況などを父から聞きました。

 

 コロナ感染が一旦収束した7月23日~26日の四連休には、県外からかなりの宿泊客が押し寄せたそうです。というのも各ホテル・旅館とも何とか客を呼び込もうと、通常の半額近くの値段設定にしていたとのことです。

 

 8月にはGoToトラベルが始まりましたが、再び感染拡大が起こり、お盆の時期には期待したほどの宿泊客は望めなかったようです。

 

 東京圏の自治体の長から、県を跨いだ移動の自粛が強く求められたことが影響したのでしょうか。

 

 GoToトラベルは、これまで200万人以上が利用し、結果としてコロナ感染者はわずか10人だったようです。

 

 菅官房長官はインタビューのなかで、「地方のホテル・旅館は稼働率が前年比1割ちょっと、GoToトラベルをやらなかったら大変なことになっていた」と述べ、専門家などからの時期尚早論を排しての、キャンペーン実施の意義を強調しています。

 

 感染者発生を防ぐ努力は勿論のこと、GoToトラベルの追い風を利用しつつ、温泉街の関係者が一丸となって、知恵とアイディアを出しながら、何とか危機を乗り越えてほしいものだと思いながら故郷を後にしました。