コロナ禍の中、最も打撃を受けている産業の一つが観光業です。
G20(主要先進20ヶ国)の観光大臣が緊急会合を開き、打開策を話し合っているようですが、コロナ感染拡大が収束しないことには、決めてとなる有効な手立ては簡単には見いだせないでしょう。
またコロナ禍の影響は、後進国ほど大きいと言われています。
ほかに国を支える産業が育たず、観光収入に頼っている割合が大きいからです。
日本の国内観光もGOTOキャンペーンを行っている間は、何とか活気を取り戻しつつあるのでしょうが、キャンペーンが終わった後の状況も懸念されます。
PezibearさんによるPixabayからの画像
「おもてなし 」をキャッチコピーに五輪を誘致したまではよかったのですが、延期後の五輪は、大量のインバウンド需要など見込めるはずもありません。
振り返ってみれば、少子高齢化が進む日本を活性化させるために、政府は観光に力を入れてきた経緯があります。
少し前には、中国人観光客を中心とする「爆買い」がニュースで大きく取り上げられました。
百貨店、ドラッグストア、電化製品量販店など爆買いの恩恵を受けた業種・店舗は、まるでバブルの再来のように思えたことでしょう。
恩恵を受けたのは観光業も同じです。
各地の観光地は、外国人観光客を受け入れるために様々な工夫をしたことで、バブル崩壊、リーマンショックなどで閑古鳥が鳴いていた観光地の宿泊施設も、一時息を吹き返すことができました。
インバウンド需要がもたらす経済効果に着目し、政府は今年度の外国人観光客の受け入れ目標を4000万人としたこともありましたが、コロナ禍によりその夢は、あえなく潰えました。
また有名な観光地は、どこに行っても中国人だらけといった状況を、快く思っていなかった日本人も少なくはなかったのではないでしょうか。
経済効果ばかりに目が行って、やみくもに外国人観光客を増やそうとすれば、どこかに歪みが生まれます。
ウィズコロナの時期に入った今、観光を目的にいろいろな人に来てもらいたいと願っている地域は、自分達の住む地域の特徴・魅力は何か、訪れてくれる観光旅行者はどこに魅かれているのか、足元を見つめ直し、観光のあり方を整理し直してみる時期なのではないかと思っています。