【インバウンド需要に頼っていた観光業の危機】
昨年北海道を訪れた際に、行く先々で中国人の観光ツアー客に出会し、食事をするにも風呂に入るにも、中国語が飛び交う間を掻い潜ってでしたので、中国人客の泊まっていない宿に泊まった時には、思わずホッとしたものでした。
しかし翌日北海道に住むツアーガイドさんと話をしていたら、「このあたりの中小の宿泊施設は、バブル後、リーマンショック後に宿泊客の激減で瀕死の状態だったのが、ここにきてのインバウンド需要で何とか持ち直しているんですよ」と外国人観光客がたくさん来てくれていることを有り難がっていました。
コロナウィルスの感染が収束したのち、再びインバウンド客は大勢やってくるのでしょうか。
団体旅行などは、密の塊のようなものですから、ある程度までそれが是正されない限り、受け入れは難しいのだろうと思います。
【感染対策に工夫が求められる観光業】
これはインバウンドに限らず、国内の団体観光客とて同じことです。
今後、受け入れる観光地側としても、感染の発生を防ぐため宿泊客の数を制限せざるを得なくなるでしょうから、経営を成り立たせていくためには、単価を上げるしかなくなるでしょう。
これからは、日本の各観光地は以前のようなビジネスモデルで成り立たせていこうとするのではなく、地域の魅力を発信して、単価を上げても観光客が来てくれるような工夫を凝らしていく必要があります。
例えば京都などはここ数年、インバウンド客で溢れかえっていて、日本人観光客が敬遠しがちだったのですが、自粛解除後、国内の予約が急増しているといいます。
【新しい旅のスタイルの提案】
観光需要のなかでインバウンドはわずか15%ですから、観光地はもう一度足元を見つめなおして、インバウンド需要がなくなっても、国内観光客に来てもらえるようなビジネスモデルへと転換しなければなりません。
以前、何人かの欧米から日本を訪れた観光客へのインタビューで、日本での滞在時間を訪ねていましたが、ほとんどの人が数週間から一か月、あるいはそれ以上という答えが多かったのを記憶しています。
欧米では、まとまった休みを取って旅行を楽しむことが一般的で、職場も当然のこととし理解し、認めています。
日本でもコロナ禍を機に、働き方改革だけでなく、休み方改革も進んでいくとすれば、一例として、一か所に長く滞在して、その土地の良さを感じようとする旅行客も増えてくるかもしれません。
新しい旅のスタイルを提案していくのも観光業関係者の課題かもしれませんね😊。
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