【意外な和食離れの傾向】
近年、日本人の和食離れがすすんでいるといいます。
「和食」が世界遺産になり、海外では逆に注目度が高まっているというのに…。
博報堂生活総合研究所の調べでは、「生活定点」の調査で、「和風の料理が好き」と答えた人は、1998年には65.8%いましたが、2018年は45.0%へと激減しています。男女共に20代~60代の全世代で、10~30ポイント減と、性別、世代問わず満遍なく落ち込んでいます。
なぜそのようなことが起こっているのでしょうか。
【近年の食生活の変化】
以下、雑駁ではありますが、私なりに考えてみました。
食生活の変化で思いつくのは、米の消費量が長い間下がり続けてきたことからも推測されるように、一汁三菜的な食卓の機会が減ってきたのではないかということです。
私自身は、相変わらず朝は「ごはん派」を頑なに続けていますが、いまや「洋食(トースト・目玉焼き・ヨーグルト等)派」の家庭の方が多いのではないでしょうか。
また和食の必須アイテム食材のひとつは魚ですが、若者を中心に「魚離れ」がすすんだといわれており、このようなことも「和食離れ」の原因なのかもしれません。
そして米を食べる機会が減っているのに対し、いま全国各地に「おいしいパン」を提供するお店が増えてきました。
おいしいパンが手に入れば、食卓に並ぶのは和食ではなく、洋食風になる傾向になってしまうのではないでしょうか。
また日本人は伝統的な和の食材に加えて、世界中の食材を取り入れた食生活をするようになってきました。
美味しいと分かれば、貪欲に食生活に取り入れています。
世界を見渡しても、こんなにバリエーション豊富な食生活をしている国は珍しいといわれています。
例えばインド人は一日三食、一年中カレー料理だそうです😊。
【和食と日本食】
何をもって「和食」というのかは、私にはよくわかっていないのですが…。
和食(魚、豆腐、納豆、地場野菜等)といえばヘルシーというキーワードが当てはまると思いますが、海外の人に人気のある「ラーメン」は、ヘルシーには当てはまらない高カロリー食です。
これは「おいしい日本食」だからヘルシーかどうかに関係なく支持されている日本食の代表でしょうか。
寿司などは両方を兼ね備えた日本食になりそうです。
【守りたい繊細な食文化】
一方で「おふくろの味」に代表される伝統的な食習慣も、年齢の高い層を中心に健在なのではないでしょうか。
和食がユネスコ無形文化遺産になった正式名称は、「和食;日本人の伝統的な食文化」です。
つまり「和食」の食材や食事そのものではなく、「和食という食文化」が世界遺産なのです。
四季の移り変わりがある日本で、私達は豊かな自然とともに暮らしてきました。
食文化もまた、自然を崇拝する日本人の気質を反映し、多くの習わしを大切に息づいているのではないでしょうか。
世界広しといえど、このように食事について細やかな気配りをしている国は少ないと思います😊。