【孤独、ひとり】
「孤独」や「ひとり」という言葉は、どこか寂しげな響きです。
少子高齢化や晩婚化に伴って、確かに「ひとり」という言葉には、孤独な“独居老人”とか“寂しい独身”といった負のイメージがつきまとっていることも事実でしょう。
【独居高齢男性の深刻な会話不足】
国立社会保障・人口問題研究所の2017年 「生活と支え合いに関する調査」では、65歳以上の独居男性の15%は、会話する頻度が2週間に1回以下という驚くべき結果が出ました。頼れる人がいないと答えたのは、3割ということです。
同年代の独居女性はそれぞれ約5%、約9%ですから、独居男性の深刻度は女性の3倍です。結婚していても、独身でも、高齢男性のコミュニケーション不足が非常に深刻であることが、この調査からわかります。
私が住む集合住宅でも、奥様に先立たれて一人で住んでいる高齢男性が何人もいます。
持ち回りでまわってくる管理組合や自治会の役員も、高齢を理由に断ってくるケースも増えているといいます。
これらの人たちの中には、調査結果のような会話不足状態に陥ってしまう懸念がありますから、それを防ぐ見守りの体制を考えていく必要があります。
【ひとりを楽しむ】
一方で「孤独になる」ことを推奨する作家も出てきています。
五木寛之氏の「孤独のすすめ~人生後半の生き方」や下重暁子氏の「極上の孤独」は積極的に「孤独」と向き合うことを勧めています。
独居や独身であろうがなかろうが「人間死ぬときはひとり」です。
私は多分、死ぬ時までひとりにはなれないだろうと思っていますが、最近なるべく「ひとりになる」とか「ひとりで過ごす」時間をつくるよう努めています。
雑音のない空間にひとり身をおくと、普段考えのまとまらないようなことを、集中して考えることができますし、頭が少しクリアになったような気にもなります。
時に自然の中に身をおくと、風の音や草木のゆれる音を聞きながら過ごすことで、身体が浄化されていくような気分を味わえます。
そんな時が、自分の「来し方、生末(いくすえ)」などを考える良い機会になるのです😊。