団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

穏やかにボケていく

 ショートステイでの滞在を終える父を迎えに行きました。

 

 2日間家で過ごし、再びショートステイの施設に戻ることになっています。

 

 家に戻ると施設から持ってきた荷物を広げ、何かガサガサと探し始めました。

 

「どうしたの?」と問うと「保険証がない」といいます。

 

 妻が「施設に置いてきたんじゃない?」というのですが「もう一つのバックに入っているはずなんだが、バックはどこにいった?」と言い出します。

 

 父は小さなバックをいくつも持ち歩いています、妻は「今日持ち帰ったバックは2つだけだから、施設の方に置いてきたバックの中にあるんじゃないですか?」と諭します。

 

 父は家にいると一日中探し物をしています。私はなくなる筈はないと思っていますから、そんなときは放っておきます。

 

 妻が言うように「施設に置いてきたのかもしれない」と納得すればいいのですが、それからも自分の部屋に入って捜し続けます。

        andrea candrajaさんによるpixabayからの画像

 

 以前元気だった頃の父は、雨の日以外は庭に出て庭の手入れに余念がなかったのですが、現在は庭のことは気にしていないように見えます。

 

 実家に滞在している間の限りある時間の中で、私が門の外側の雑草取りや、長く伸びすぎた枝葉を剪定したりしているのですが、庭全体の手入れをするまでにはいきません。

 

 外から荒れ放題の家と見られないように、せめて目に付く箇所だけでも、きれいにしておかなければと思っているのです。

 

 妻はといえば、台所の錆びついたフライパンや賞味期限の過ぎた調味料類などを処分しようとしています。

 

 袋に詰めた処分品は、車に積んで私の家の方で処分するつもりで、私たちの住む自治体専用のごみ袋を持って来ています。

 

 ショートステイに戻る日の朝、父は早朝から起き出して、書斎に入って何かをしています。

 

 ファイリングが好きで、書類をファイルに納めて整理していますが、必要なときにどこにあるかが分からなくなってしまうことがしょっちゅうあります。

 

 ショートステイで再び施設にもどり、保険証を施設のスタッフにも手伝ってもらい捜しました。

 

 はたして持って言ったファイルに保険証が入っていました。

 

 妻が「こんなところにファイルしてしまったら、必要なときに出て来なくなるから、保険証は別に保管するように」と諭しますが、父は無反応でやり過ごそうとしています。