【限界集落の終活を唱える大学生】
消滅しそうな集落の「終活」に動き出した大学生の記事に目が留まりました。
地方の活性化策ばかりに議論が向いてしまいがちですが、こんな暖かい眼差しを向けている若者がいるんだと感心させられました。
以下は、朝日新聞の記事『限界集落の「終活」を唱える大学生』の抜き書きです。
消滅寸前の集落のことを「再生」の一点張りではなく、「終活」の視点でも語り合おう。
そんなネット上の語り場コミュニティー「ムラツムギ」を今春、全国の有志4人と共に立ち上げた。
東京都出身。高校進学時、大好きな釣りを楽しみたくて、島おこしのため県外から生徒を受け入れる島根県の離島・海士(あま)町の隠岐島前(おきどうぜん)高校へ。
週末、釣りざお片手に島内を巡り、農作業などを手伝ううちに、島民の本音に接した。
先祖から受け継いだ農地を引き継ぎたくても、島に子孫がいない。
都会で暮らす子供に「帰れ」と言えない――。
ある漁師からは「島に帰って来たらオレの船をやる」と言われた。
「先祖が守り続けたものを終わらせてしまう罪悪感。
それが島民の人生をつらくしている、と感じたんです」
集落が無人になる前に、しきたりや四季折々の祭りなどを引き継ぐ形を見いだせたら、住民も地域も心穏やかな最期を迎えられるのでは。
そう仮説をたてた。
「まちの終活専門家になりたい」と今春、慶応大学総合政策学部に進学。
入学式前日、SNSなどで知り合った若者たちと都内で「ムラツムギ」結成イベントを開き、約40人と意見を交わした。
賛同者は徐々に増え、ネットで議論が続く。
当面は「『終わり』をタブー視せず、語り合える土壌づくり」
に努めるという。
(以上 朝日新聞2019.6.11 より)
【タブー視しない勇気】
この大学生は前田陽太さんという方です。
限界集落の関係者であれば、誰もが心の中で思い、だが普段あまり口に出すことを避けている集落の生末(いくすえ)。
「ムラツムギ」は、村を紡(つむ)いでいくという意味があるそうです。
この活動が全国に広がっていくことを願うばかりです。
日本もまだまだ捨てたもんじゃないね! 😊。