団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

コロナの影響で中国が世界一の経済大国に

 変異種のコロナ・ウィルス感染が注視されています。

 

 日本国内への変異種コロナ感染を食い止めようとしましたが、あっけなく英国からの帰国者から感染が確認され、変異種コロナ感染の拡大が危惧されます。

 

 これまでの感染者数をみると、1位のアメリカ(18,982,634人)を筆頭に、5位フランス(2,548,388人)、6位(2,256,005人)、8位イタリア(2,038,759人)、

9位スペイン(1,854,951人)、10位ドイツ(1,646,240人)などと欧米先進国の感染者数の多さが目立ちます(ジョンズ・ホプキンス大学の12月27日時点での発表数字)。

 

そんな状況のなか、イギリスの有力シンクタンクの「経済経営研究センター(CEBR)」は、26日に公表した世界経済の年次報告書で、中国の経済規模が2028年に米国を抜き世界一になるとの見通しを示しました。

 

昨年時点の予測から5年前倒ししたものです。

 

一方、日本は2030年にインドに抜かれ、現在の3位から4位に転落するといいます。

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      Couleur5さんによるPixabayからの画像

 

そして、中国が経済規模で長期にわたって世界一を維持してきた米国を抜くことになれば、象徴的な出来事となりそうだ。CEBRは報告書で「中国が新型コロナウイルスの流行を巧みに抑え込んだ一方、西側諸国は長期的成長力に打撃を受けた。この結果、中国の相対的な地位が向上した」と指摘しています。

 

 いずれは経済力で中国が米国を抜くとはいわれていましたが、コロナの影響で、それが早まった格好です。

 

 トランプ大統領は、中国の勢いを削ごうと躍起になっていましたが、コロナ対策の失敗が裏目にでました。

 

 次期バイデン大統領は、同盟国や欧州各国と協調路線を打ち出しています。

 

 トップに躍り出ようとする中国を、対立ではなく、経済大国の自覚を、欧米各国そして日本がいかに促すことができるのかが問われます。

 

 かつての天安門事件の際に、人権問題を重視した各国は、中国を孤立化させる道をとろうとしました。

 

 その時日本は、孤立化させるのは世界にとって得策ではないと主張した経緯があります。

 

 肥大化する中国を、天安門事件の時と同様、欧米先進各国との話し合いの土俵にひきだすために、日本の果たすべき役割が期待されているといいます。

 

 日本はしたたかな中国に、どう向き合っていけばいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

紙で学ぶかデジタルで学ぶか

 以前職場のペーパーレス化を進めようという掛け声のもと、なんでもかんでもコンピュータの中に仕舞い込み、紙で保管するのをやめようとすることがブームになった時代がありました。当時の私の机の上は、紙の書類の山でした。

 

そんな惨状でしたから、ペーパーレス化の大号令がかかるのも無理からぬ状態でした。

 

当時は、私もパソコンをまだ使い慣れない頃でしたから、重要な書類や自分でまだ理解・把握しきれていない案件の書類などは、パソコンの画面越しに読むことに抵抗をかんじていました。

 

ですから、ペーパーレスとはいっても、気になる書類は紙にプリントして、手元に置かないと落ち着かないという有様で、机の上の書類の山がなかなか低くならなかったのを思い出します。

 

また、読書をするのも、昨今は電子版をタブレット端末などで読む人も多いようですが、私は紙の本をくりながらの読書でないと落ち着きません。

 

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  White77さんによるPixabayからの画像

 

 文部科学省は12月22日、デジタル教科書の使用時間を「各教科の授業コマ数の2分の1未満」と定めた基準を撤廃する方針を有識者会議で示し、了承された。との報道がありました。

 

 さまざまなものがデジタル化されていく中、初等教育までどんどんデジタル化されていくと、この時期に身につけなければならない基礎的な能力の一部が身に付かないままで、育っていってしまう恐れがあります。

 

小学生はまず、思考力や判断力の基礎となる学力に加え、ノートの取り方、予習復習の仕方、資料の探し方などを学ぶ方法を身に付けることが必要です。

 

また読解力は、AIには代替できない人間の能力です。デジタル教科書には、紙の教科書にはなかった便利な機能が付いてくるでしょうから、それにより読解力の育成が阻まれる恐れがあります。

 

 国立情報学研究所の新井紀子教授は次のように述べています。

 

今、中学生の半数以上が、教科書を読んでも理解できない状態で卒業している。

 

 21世紀に必要な能力は教科書を正確に読み、正しいイメージをつかむ力だ。

 

 学校教育で求められるのは、教科書を精読してゆっくり考え、自らノートにまとめ、わからなかった時に自分で調べ、どこでつまずいているのかを説明できる力を育成することだ。

 

 読解力や思考力、問題解決能力は訓練しないと養えない。

 

 デジタル教科書によって学習スキルが低下し、学力格差がますます広がる懸念がある。

                              (以上)

 

 各分野でデジタル化の遅れが指摘されている昨今ですが、初等教育分野まで拙速にデジタル化をすすめていくのは、私だけでなく多くの人が疑問符をつけているのではないでしょうか。

 

 

 

 

雪の怖さと雪景色の魅力

 今回の大雪で新潟、群馬両県の高速道路で2日間にわたり2000台以上の車が立ち往生した報道は、改めて大雪の怖さを思い知らされました。

 

 また新潟県湯沢町のかぐらスキー場では、スノーボードをしていた33歳の女性が雪の中に埋もれているのが発見されました。新雪にはまり転倒し、そのまま動けなくなったとみられています。

 

 私も山育ちですので、大雪でひどい目にあった思い出は数々あります。

 

 ただ大雪のもたらす怖さは、身に染みていましたから、大雪が降れば家のまわりの雪かきをするくらいで、あとは家の中でひたすらじっとしているという生活でした。

 

 ただ両親が若い頃には、1メートルの積雪がしばしばあったようなのですが、私が実家で生活していた頃には、そのような大雪が降ることはなくなっていました。

 

 気候変動のせいだったのでしょうか。

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  Jorg VieliさんによるPixabayからの画像

 

 子供の頃、朝起きる前に、「今朝はやけに静かだな」と感じながら起きてみると、外は一面の雪景色です。

 

 雪国の人はご存知でしょうが、雪が降っているときは、様々な音が降雪にかき消されてシーンとした朝を迎えることになります。

 

 冬の朝、布団の中で、やけに静かだと感じた時には、起きてそっとカーテンを開けるのが楽しみでした。

 

 カーテンを開けた途端、真っ白な世界が広がっていると、思わず「ワー!」と声を出してしまうくらい、高揚感を感じたものでした。

 

 大人の親たちは、それどころではなかったのでしょうが、子供の私にとっては仕事への支障など関係ありませんから、外で雪遊びができる楽しみに繋がったからなのでしょうか。

 

 社会人になってからは、電車とバスを乗り継いで、夜、雪の降る中をトボトボ歩きながら、実家に行くのが好きでした。

 

「雪の降る街を」という歌を口ずさみながら、色々なことを想い、街頭に白い雪が照らし出されるのを見ながら、妙に感傷的な気分になったものです。

 

「雪の降る街を」歌詞

 

雪の降る街を 雪の降る街を
想い出だけが 通りすぎてゆく
雪の降る街を
遠い国から 落ちてくる
この想い出を この想い出を
いつの日かつつまん
温(あたた)かき幸せのほほえみ

雪の降る街を 雪の降る街を
足音だけが 追いかけてゆく
雪の降る街を
ひとり心に 充(み)ちてくる
この哀(かな)しみを この哀しみを
いつの日かほぐさん
緑なす春の日のそよ風

雪の降る街を 雪の降る街を
息吹(いぶき)とともに こみあげてくる
雪の降る街を
誰もわからぬ わが心
このむなしさを このむなしさを
いつの日か祈らん
新しき光降る鐘の音(ね)

             (以上)

 

雪は我々人間にとって、時にやっかいで怖いものでもあり、時には雪の白い世界が、人間の心を浄化してくれるもののような気がしています。

 

 

 

これ以上、何をすればいいの?

 3週間の自粛期間が終わりました。

 

 自粛の効果が出たかといえば、感染者数、重傷者数、死亡者数とも右肩上がりで上昇し続けています。

 

 やはり寒さが増すにつれ、コロナ・ウィルスが活気づいているせいなのでしょうか、冬が始まったばかりだというのに、先が思いやられます😢

 

 重傷者数が増えているのは、以前の若い世代中心の感染から、高齢者にまで感染が広がっていることに主な原因があります。

 

 感染した若い人達が、家にウィルスを持ち込んでいるケースが増えているといわれています。

 

 感染ルートが多岐にわたり、何に気を付ければいいのか、だんだん分からなくなってきました。

 

 3密を避け、手洗い・消毒の徹底、ソーシャル・ディスタンスの励行以外に、何をすればいいのでしょうか。

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  bohedさんによるPixabayからの画像

 

【元気な高齢者は要注意】

 

 また、これまで感染騒動にあまり縁のなかった地方にまで感染が広がっているのも気になります。

 

 私の実家の両親もそうですが、周囲に感染者がいなければ、地方の場合、どうしても危機意識が薄いというのが現実の姿です。

 

 特に元気な高齢者は、外を動き回ることが多いですから、買い物などで人込みに近づけば、感染の可能性はこれまで以上に高まります。

 

 昨日、「岡山県倉敷市で11日から13日にかけて、カラオケができる飲食店で3日連続となるクラスターが発生」との報道がありました。

 

 クラスターが起きたのは3軒の店で、感染者は利用客と経営者で1軒目12人、2軒目7人、3軒目22人に上ります。

 

 感染者はいずれも高齢者の方々のようです。

 

 仲間を前にして美声を披露したい気持ちは分かりますが、カラオケができる飲食店は、音が外に漏れないようにしていますから、換気も不十分になりがちなことも相まって、感染者がいる場合は高い確率でクラスターが発生することを示す報道です。

 

 今後は、高齢者のカラオケ店利用をしばらくの間、規制すべきかと思います。

 

 高齢者の皆さん(私もそのひとりですが)、どうしても歌いたければ、「ひとりカラオケ」にしましょう😊。

温室効果ガス排出量ゼロは実現するのか

政府は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を法制化する方針を固めたようです。

 

政府の長期目標を法律で位置づけるのは異例なことです。

 

「2050年排出ゼロ」を国策として強力に推進する姿勢を国内外に示す狙いがあるようです。

 

「日本の決意やよし」と言えるのでしょうが、はたして地球規模で取り組まねばならない温暖化をくい止めることができるのでしょうか。

 

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  MarcinjozwiakさんによるPixabayからの画像

 

 もうすぐ終焉を迎えるトランプ政権は、「パリ協定」から離脱しました。これまで一貫して温暖化対策に消極的な対応をとってきています。

 

 民主党バイデン次期大統領は、パリ協定復帰を打ち出していますが、国内の反対勢力を封じ込めることができるのでしょうか。

 

 そしてCO2排出量で世界の28%を占める中国は、EV車に力を入れています。

 

しかしEV車の走行に必要な電気は、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する石炭火力発電(中国全体の電源の62%)に依存しているという矛盾した状況になっています。

 

 日本はもとより、米中の2大CO2排出国が、本気で排出削減に取り組まなければ、パリ協定の目標実現は難しいでしょう。

 

 いま世界各地で、若者を中心に、温暖化対策に本腰を入れようとしない政府に対し、抗議行動を強めています。

 

 私のような年寄りは、そのようなパワーはありませんから、身近なことから、二酸化炭素の排出を減らす努力を、地道に行うしかありません。

 

 日本の二酸化炭素排出量の約2割は、給湯や暖房、調理のためのガスの使用、電気製品の使用、それに自家用車の利用などにより、わたしたちの日常生活から排出されています。

 

 カーテンによる太陽光の調節、冷房・暖房の温度を控えめに設定する。シャワーを流しっぱなしにしないなどにより、燃料や電力の消費を抑える。

 

 ポットやジャーの保温を控える、電化製品の主電源をこまめに切る、長時間使わない時はコンセントを抜くなどにより、節電を心がけること。

 

また家族が同じ部屋で団らんすると、暖房と照明によるエネルギー消費を2割減らすことができるとも試算されています。

 

 これらの行動をいきなり全て実践するのは難しいとしても、二酸化炭素排出削減の工夫は、身近なところに沢山ありそうですね。

 

 

土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技

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東北版「流行語大賞」があった

 先日、毎年恒例の「流行語大賞」が発表され、今年は「3密」が大賞に選ばれました。

 

しかし「東北の流行語大賞」というものがあるのを初めて知りました。

 

興味を持ってみてみると、今年の流行語大賞は、「岩手ゼロ」だそうです。

 

新型コロナウイルスが世界的に流行した今年。1月に日本で初めての感染者が確認されて以来、各都道府県で次々と感染者が確認される中で、岩手県は7月29日に初の感染者が確認されるまで全国で唯一半年間の「感染者ゼロ」状態を維持しました。

 

SNS上では「岩手結界説」がささやかれるほど驚異的な記録が話題となりました。

 

 結界(けっかい)とは、邪悪なものの侵入を阻んだり、魑魅魍魎(ちみもうりょう)を封印したりするバリアーのようなものです。

 

結界説とは、「六芒星(ろくぼうせい)で結界をつくり新型コロナ感染症から守られた」というものです。

 

 東北のメジャーな地方紙・河北新報も「六芒星(ろくぼうせい)」コロナから岩手守る? 一関で広がるうわさ」という見出しで、ニュースに取り上げました。

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   NickypeさんによるPixabayからの画像

 

 以下は、その時の記事の内容です。

 

新型コロナウイルスの感染者が、全国で唯一確認されていない岩手県。その理由を巡り、南の玄関口の一関地方でまことしやかなうわさが広がる。

 

「世界遺産・中尊寺周辺にある『六芒星(ろくぼうせい)』の結界=?=がいにしえより地域を守っている」。陰陽師(おんみょうじ)安倍晴明が活躍した平安時代にさかのぼるという六芒星の謎を探った。
(一関支局・金野正之)

 発端は感染が急拡大した4月中旬に発表されたブログ「岩手に感染者が出ていないのはなぜ」だった。


観光振興の民間団体「世界遺産平泉・一関DMO」代表の松本数馬さん(39)が、晴明が京都に張った結界を例に「岩手にも六芒星があり今も受け継がれているらしい」と書いた。

「過去の歴史でも大きな疫病とはほぼ無縁の地域。六芒星は面白い説だ」。郷土史の著作がある平泉町観光商工課の八重樫忠郎課長も全く否定しない。


六芒星は地域信仰を20年来研究してきた一関市の学習塾経営金田渉治さん(59)が数年前に発見したらしい。

 

早速訪ね、歴史ロマンに満ちた説を聞いた。


六芒星の中心は、東北最古といわれる配志和(はいしわ)神社。

 

110年、ヤマトタケルノミコトが蝦夷征伐の際に悪徒退散を祈願したのが始まりとされ、かつて磐座(いわくら)山と呼ばれた現在の蘭梅(らんばい)山に立つ。

 北側の頂点から左回りに白山神社、達谷窟毘沙門堂(たっこくのいわやびしゃもんどう)、三嶋神社、鹿島神社、滝神社、〓草(もくさ)神社を結ぶ。

 

全てが磐座をまつり、自然神「アラハバキ」を信仰する場所だ。

 

北東の鬼門を封じるように全体が左向きに15度傾く。東西と南北に約13キロ幅で広がる。


金田さんは六芒星の始まりを「11世紀後半ごろ」と推論する。

 

地元豪族・安倍氏が源氏の朝廷軍に滅ぼされる前九年の役の時期だ。


今の中尊寺のすぐ北側に安倍氏の拠点で激戦地だった衣川柵(奥州市衣川)があった。六芒星内部は北上川が流れ、街道の要所で重要な拠点だったようだ。


戦乱期に安倍氏が六芒星で守りを固め、源氏が結界を崩そうと仕掛けたように推察できるという。源氏に関連する複数の神社が確かに六芒星周辺に現存する。


10世紀に生きた安倍晴明と安倍氏はそもそも親族。茨城、福島県には晴明生誕などの伝承も残る。

 

金田さんは「晴明の一族が六芒星の結界を張った可能性もなくはない」とも考える。

状況から説得力はあるものの呪術のため、史料はほぼ残っていない。

 

史跡への「昇格」はないだろうが、歴史に思いをはせる観光資源として生かす道はある。


仙台市で「星の街仙台プロジェクト」として六芒星の魅力を発信している八代峰さんは「(パワースポットが直線的につながる)西洋の風水『レイライン』と見て取れる」と解説する。


ブログを書いた松本さんは「奥州藤原氏が平和を願ったのは、阿弖流為(あてるい)や安倍氏の時代に戦乱があったからだ。時代に消えた敗者の未知なる歴史にこそ魅力があり、目を向けたい」と新たな展開を模索する。

 

  (以上 河北新報の記事内容を抜粋しました。)

 

 いまやコロナウィルス感染拡大は、全国に広がり、東北地方もその例外ではありません。

 

 東北流行語大賞の「岩手ゼロ」をめぐり、結界説というロマンに満ちた話があるというのは、何か救われる思いがしました。

 

 ちなみに流行語大賞の次点に食い込んだのは「謎の飛行物体」でした。

 

 多くの人が目撃したようですが、確認はできていないようです。

 

 1位といい2位といい、謎めいていて面白い流行語でした。

 

 東北版流行語を発信しているのは、TOHOKU360という参加型のニュースサイトです。

 

経験豊富なメディア出身の編集者と、東北6県の各地に住む住民の「通信員」とが力を合わせて、まだ知られていない価値あるニュースを一人ひとりが自分の足元から発掘して、全国、世界へと発信しています。

 

 今後も東北の生き生きとした情報を、発信し続けてほしいものです。

 

 

 

 

新興国におけるデジタル化の脅威とチャンス

 日本のデジタル化は、何故にこうも遅れてしまったのでしょう。

 

 過去の経済発展のビジネスモデルにあぐらをかき続けてきたことや、縦割りで閉鎖的慣行を変えようとしなかった、行政の仕事の進め方に問題がある、と言われています。

 

 かつてベトナムがベトナム戦争後の処理を終え、経済復興を目指そうとしている時に、仕事で現地を訪れたことがあります。

 

 ホーチミン市に滞在していた時に、ホテルから街並みを眺めていると、日本が第二次大戦の敗戦を経て、戦後の復興を遂げようとしていた昭和30年代の日本の街並みに酷似しているようで、懐かしさを覚えた記憶があります。

 

 当時、経済復興をはかるうえで必要な通信インフラの整備が課題となっていました。

 

 しかし携帯電話が普及し始めていた頃でしたから、かつて日本が長い時間をかけて、全国に電話回線を張り巡らせてきた当時に比べ、はるかに短い時間で、携帯電話の基地局を設置するだけで、通信インフラを整備することが可能なことを知り、感慨深い思いをしたことがありました。

 

 これからは、先進国が経済を発展させてきた頃より、ショートカットした早いスピードで、社会経済の基盤を整えることが可能な時代になったのだと。

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      LUM3NさんによるPixabayからの画像

 

 同様なことが、デジタル化という最先端の領域で起きようとしています。

 

今、新興各国では、デジタル化の波が押し寄せています。

 

 世界のインターネット・ユーザーの7割以上が伝統的な先進国ではない非OECD諸国にいます。

 

そして、デジタル新興国は、先進国を「飛び越え」る形で発展を遂げようとしているのです。

 

 もはやデジタル先進国となった中国は、次世代通信技術の分野で米国と熾烈な覇権争いを繰り広げています。

 

 そしてアフリカ諸国でも、デジタル化の波が押し寄せていますが、インフラの未整備など漸弱性を併せ持っており、「最後の巨大市場」といわれるアフリカ大陸の可能性に先進各国が注目し、競って支援の働きかけをしようとしています。

 

 日本は、「デジタル後進国」といったレッテルを貼られないよう、国内の社会経済システムのデジタル化を推し進め、そして日本の強みを活かしたアフリカへの支援を急ぐ必要があります。