団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

医師の働き方改革、いろいろ考えさせられました

 医師の過重労働が問題となっています。

 

 特に若い医師たちは、様々な経験を積むために、どうしても時間を忘れて医療に従事してしまう傾向があるようです。

 

 そんな折、新聞の人生案内の投稿欄で、医師からの次のような相談記事を見つけました。

 

 50代の男性医師のTさんです。

 

 へき地とされる地域の公立基幹病院の小児科で働いています。

 

 夜間は数十キロ離れたところからも患者が救急車で搬送されてきます。

 

 夜間は交代で当直する体制で、救急外来や入院患者に対応しています。

 

 時に数日間帰宅できないこともありますが、患者が回復して笑顔をみせてくれることに、やりがいを感じています。

 

この春から医師にも働き方改革が適用され、時間外勤務の制限が大幅に厳しくなり、近く、今の人員では当直を置けなくなります。

 

 法令を遵守するには、自宅にいて、呼び出されてから病院に向かうことになります。

 

 患者の安全が保たれないのではないかと心配で、「家にいるふりをして病院にいようか」という同僚もいます。

 

 過重労働を防ぐための改革ですが、悔いの残る事例が発生すれば、やりがいを失ってしまうのではないかと不安です。

 

 以上が医師Tさんのご相談内容です。

         RUSTU BOZKUSさんによるpixabayからの画像

 

 これに対し、弁護士の佐貫葉子さんは、次のようにアドバイスしていました。

 

 あなたの小児医療にかける志の高さに頭が下がります。

 

 日本中どこでも良質な医療を受けられるのは、あなたのような医師たちの献身があったおかげです。

 

 一方で「働き方改革」の目的は、働く医師の長時間労働を見直し、心身の健康を維持することにあります。

 

 医療の持続可能性を考えれば、ここは是非、視点を変えていただきたいです。

 

 どんな改革も導入当初は、現場で戸惑いが生じやすいものです。

 

 あなたは、年代からして指導的立場にあるのでしょうか。どうか同僚や部下と相談し、率先して改革を根付かせてください。

 

 そしてあなた自身の健康を維持し、できるだけ長く医療に携わってください。

 

 それが結局は患者さんのためにもなります。

 

 今般の働き方改革においても、医療の持つ緊急性や重要性から、医師に許される時間外労働や休日労働の上限については、一般の労働者とは異なる特別規則が定められています。

 

 その上さらに、規制の抜け道を探すようなことは決してしないでください。

 

 あなたの患者であるお子さんたちは、診てくださる医師が疲れているかどうか、敏感に見抜くのではないでしょうか。

 

 心身ともに健康な状態で向き合ってくれることを望んでいると思います。

 

 以上が佐貫葉子さんからのアドバイスです。

 

 このやりとりを拝見して、医師の働き方改革を浸透させるには、かなりの時間がかかることでしょう。

 

なかでも、Tさんのような、へき地とされる地域で医療を担う医師は、限られた医師数で切り盛りしていることが推測されます。

 

 そして、日本は人口1000人当たり2.4人の医師数で、これは先進国の中でも特に少ない数となっています。

 

 他の先進国では、人口1000人当たりの医師数はフランス3.4人、ドイツは4.2人と、日本と比べると遥かに多い数字となっています。

 

 少子高齢化に突き進んでいる日本においては、限られた数の子供達の命を守るうえでも、小児医療の果たす役割は特に重要です。