65歳から貰える年金を70歳まで遅らせると、月約10万円支給額が増えます!?
11月2日に初めて公表された「70歳からの年金受給額の試算」です。
自分の経験からすると、本当かな? と思ってしまいます。
調べてみると、その試算の前提となるのが20歳~60歳の平均標準報酬月額(月額・賞与込み)が42万8000円で、60~64歳が35万1000円、65歳~69歳が30万5000円とした場合です。
しかし私のまわりを見ても、60歳以降にこのような高額の報酬をもらっている人はほとんど見当たりません。
60歳から64歳はともかくとして、65歳を超えて働いている人の報酬は、せいぜい10万前後の報酬が実態ではないかと思います。
現在、65歳を過ぎて働いている人の中には、生活していくうえで年金だけでは足りないので、仕方なく年金を補う分を働かざるを得ないというのが厳しい現実の姿なのではないかと思うのです。
65歳になっても年金受給を先送りにしている人は、1%程度だといいます。
この1%の方々の大半は、年金を貰わなくても暮らしていける高額所得者または資産家であろうと推測されます。
65歳時点で年金受給の確認書類が届きますが、ここできちんと受給の意思を伝えないと受給は先送りされます。書類にはなるべく先送りしてほしいという意図が見え隠れする構成になっていて、ややもすると見逃して先送りとなってしまう状態で書類が処理されてしまうケースもあるのでは、と心配になります。
今回の公表には、1%という数字を何とか増やしたいという意図が見えます。
将来の年金原資の状態をみれば、なんとか年金受給を先送りしてほしいという願いがにじみ出ている今回の公表かなという気がします。
年金支払いの計算は非常にややこしくて、分かりにくいのですが、今回の公表はキャッチフレーズだけみると、「年金受給は先送りした方がこんなにお得ですよ」と言わんばかりのメッセージだと思います。
余裕があり年金をもらわなくても問題ない1%の層は別にして、70歳まで先送りしたら、生活上相当な無理がかかってくるのではないかという気がします。
今でさえ日本の65歳~69歳の就業率は、男性52.9女性33.4%とアメリカ(男35.5、女27.0)、イギリス(男25.7.女16.6)、ドイツ(男19.4、女11.9)、フランス(男8.0、女4.9)、イタリア(男13.3、女5.2)、スウェーデン(男25.3、女18.8)(2016年の各国の就業率より)に比べても高い数値なのです。
先日も、保安警備員の仕事をしていた67歳の方が、月2~3日の休みだけで働き続けて、くも膜下出血で倒れてしまい、家族が労災認定の訴訟をおこしたというニュースがありました。
60代前半までは体力は、それまでの延長線上でいけるのですが、65歳を境に体力・筋力が急速に落ちていきます。
実態とは違う前提での試算を公表されても、65歳以降働いて行こうとする人達に誤解を与えかねないメッセージになりかねません。
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