昨年完成した造幣局を見学に行きました。お金を作るところは、見たことがないので、興味津々で出発しました。公民館の集まりの一環ですので団体での見学です。
個人で行っても、無料で見学できるのだそうですが、その場合は説明をしてくれる案内役が付かないということなので、団体で見学した方がよいようです。
皆さんは、お札は造幣局では、作っていない事をご存知ですか?
造幣局は貨幣のみで、お札は印刷局で作っているんだそうです。
長い間生きてきて、初めて知りました。新札を拝めると期待していたのに残念!😊。
大阪造幣局(本局)ではないので、中は思ったより、こじんまりとしています。現在出回っている6つの貨幣のほかに、様々な勲章や、2020年東京オリンピックの受賞メダルなども作っています。
春と秋の文化勲章は、毎年4000人程受賞するそうですが、高価な型枠に七宝焼の技術などで、手の込んだ装飾が施されています。
この工程の見学の際に、説明を受けて驚いたことがあります。
何人かの技術者が、作業をしていましたが、かなり神経を使う作業のようです。この方々のほとんどは、工業高校などを卒業して造幣局に入り、定年まで異動もなく、この仕事に従事されているそうなんです。
長年の経験の蓄積で、腕は磨かれていくのでしょうが、40年以上も同じ仕事をし続けるという大変な職業です。
技術職の公務員なのでしょうが、「まさに職人の世界のお仕事だな~」と感心して、仕事ぶりに見入ってしまいました。
500円玉を作る技術にも驚かされました。
日本の500円玉と韓国の500ウォンコインは、まったく同じ大きさなのだそうです。
そこに目をつけて、自動販売機に500ウォンダ玉を入れ、購入ボタン
を押さずに、払い戻しレバーを回すと、500円玉が出てくるという手を使って、大量の500ウォン玉を使った犯罪が横行した時があったそうです。
(現在は、入れたコインが戻ってくるという仕組みに代わっています。)
それを切っ掛けに、500円玉の偽造ができないように、高度な技術が取り入れられたそうです。
数年前から、500円玉のデザインが少し変わったのは意識していましたが、どう変わったかまでは気にも留めずにいましたが、例えば500の表示の0(ゼロ)の中に、500という数字が刻まれているのだそうです。
たしかに新500円をよく見ると、500の数字が刻印されていました。
また、縁のギザギザは真っすぐではなく、斜めに刻まれていて、これは高度な技術を要するものなのだそうです。
日本のお金を作る技術は最高水準であることは実感できました。
それはそれとして、世界の流れはキャッシュレス化、仮想通貨といった流れに傾きつつあるようです。