団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

ご当地ガチャが新たな地方創生に

 最近、駅周辺や街中を歩いていると、面白い販売機に出くわします。

 

 その地域の名所や名物をカプセル入りのキーホルダーや玩具などにした“ご当地ガチャ”というものだと、最近知りました。

 

 以前「翔んで埼玉」という映画が話題になりましたが、さいたま市の企業が昨年、「浦和」や「大宮」など埼玉の街をテーマに売り出したところ、販売実績が計12万個を超えるヒット商品になっているのだそうです。

 

 東京や千葉、長野などにも同様のガチャがあり、地域の魅力を再発見することにもつながっています。

                          Gennaro Leonardiさんによるpixabayからの画像

 

 今年7月12日に販売が始まった「東銀座」のガチャ、当日の歌舞伎座の土産物売り場では人だかりができていました。

 

 1個300円のカプセルに、東京メトロや都営地下鉄の東銀座駅に近接する歌舞伎座や新橋演舞場などのキーホルダーが入っており、列をなして買い求めていたのです。

 

 企画したのは、JR大宮駅前で商業ビルを運営する「アルシェ」(さいたま市)。

 

 多くの人が知る名所だけではなく、「地元民なら分かるディープなもの」も題材としています。

 

 例えば歌舞伎座にも近く、分厚いサンドイッチが名物の喫茶店「アメリカン」の場合は、すでにメニューから消えた幻の「サンドイッチセット」を描き、キーホルダーにしています。

 

 東銀座に関連したこうしたガチャは、発売後の約1か月半で5000個が売れたといいます。

 

「ディープな視点」の源流は、昨年3月に発売された「大宮」のガチャでした。

 

 駅前の百貨店や神社などに加え、レトロ喫茶店「伯爵邸」や閉店したボウリング場「ハタボウル」の看板などをモチーフにしています。

 

 その後、「浦和」「与野」「川越」など隣接した地域をシリーズ化していきました。

 

 このご当地ガチャは、他の地域にも広がりを見せ、市川まちガチャ(千葉県市川市)、栃木・日光ガチャタマ(栃木県栃木市・日光市)、三陸海物語(岩手県大槌市)、石仏ガチャ(長野県伊那市)、北鉄バス停留所コレクション(石川県)などがあります。

 

 このようなご当地ガチャの広がりは、自分の住む地域の資源を再認識するきっかけになります。

 

 ささやかな動きかもしれませんが、ご当地ガチャが地元を愛する人達の心に火をつけ、新たな地方創生の機運につながればよいと願っています。

 

 

遅れを取り戻すための涙ぐましい努力に感心

先日何日かぶりに電車に乗って職場に向かおうとしました。

 

 いつも乗る時刻の電車に間に合い、また座席も運よく空いていましたので、座ることもできラッキーな一日のはじまりです。

 

 しかし何駅か過ぎた頃に、突然急ブレーキがかかり、電車が急停止します。

 

 車内放送が流れ、緊急停止ボタンが押されたので、確認のため、しばらく停止しますとのことです。

 

 しばらく時間が過ぎた後、安全の確認がとれたので、間もなく運転再開しますとのこと、電車は再び動き出しました。

 

 ところが途中の主要駅近くに差し掛かったとき、再び急停止します。

 

 こんどの車内放送は、並行して走る別の電車に異常が発生したので、この電車に影響がないかどうかを確認しているとのことのようです。

   Kieu Truongさんによるpixabayからの画像

 

 朝の混雑時のターミナル駅は、ホーム上を何路線もの電車が行きかっています。

 

 そこで少しでも異常が発生すれば、コントロールセンターを介して、各電車に情報が流れるようです。

 

 5分程が過ぎ、この電車に影響がないことが確認されたので、運転再開しますとの放送が流れました。

 

 再度の運転停止で、かれこれ定刻より10分以上の遅れが出ています。

 

 遅れを取り戻そうというのか、車掌は次に止まる駅の乗降客の量を知らせてきたり、次の駅で降りるお客様は、速やかな降車の準備をして下さいとか、出入り口近くの乗客に、スムーズな降り乗りへの協力を求めたりして、駅での停車時間を少しでも短縮しようと涙ぐましい努力をしています。

 

 一本の電車には何百人もの乗客が乗っていますから、それぞれに色々の都合を抱えて電車に乗っていることでしょう。

 

日本の鉄道の運行の正確さを知って、海外の人達は驚くといいます。

 

 海外では飛行機や電車のダイヤの乱れは日常茶飯事ですから、利用客は諦めていて、忍耐強く待つことに慣れていると聞きます。

 

 しかし過密なダイヤを、安全を優先させて正確に電車を走らせるには大変な苦労があるはずです。

 

なぜか「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」という昔の交通安全運動の標語がふと浮かんでしまいました。

 

 急ぎの用事を抱えて焦っている方々には申し訳ないのですが、こんな時は遅れ具合に合わせた次善策でも練りながら、じっと待つしかないのでしょう。

 

「山の郵便配達」から「隠入塵煙」、中国の農山村の貧しさは変わらず?

 中国内陸部・甘粛省の農村に生きる貧しい夫婦を描いた映画「隠入塵煙(Return to Dust)」が中国国内の主要配信サイトから削除され、議論を呼んでいるようです。

 

1頭のロバしか財産のない農民と左腕に障害を抱える妻が共に農作業に励みながら生きる姿が共感を呼び、2月のベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品された作品です。

 

 中国では7月上旬の封切り後、映画評価サイトで10点満点中8.5点の高評価を得たのですが、9月末に突如、複数の大手配信サイトで視聴できなくなりました。

 

 映画には「中国の農村はここまで貧しいとの偏見を助長する」との批判も寄せられ、ネット上で活発に議論されていたといいます。

  隠入塵煙

 

 このニュースを聞いて思い出したのは1999年制作の映画「山の郵便配達」でした。

 

 父親と息子が二人で郵便配達をする3日間を淡々と追いながら、少しずつ変化していく親子関係を静かに描いた秀作です。

 

 80年代初頭の中国・湖南省西部の山間地帯。長年、責任と誇りを胸に郵便配達をしてきた男にも引退の時が近づいていました。

 

 ある日、男はその仕事を息子に引き継がせるため、息子とともに自らの最後の仕事へと出発します。

 

 それは一度の配達に2泊3日を要する過酷な道のりです。重い郵便袋を背に、愛犬を連れ、険しい山道を辿り、いくつもの村を訪ねます。

 

 父は多くを語らず、黙々と仕事をこなす中で、道筋や集配の手順、そしてこの仕事の責任の重さと誇りを子に伝えようとします。

 

 父に対して少なからずわだかまりを抱えていた息子も、そんな父の背中を見ながら、徐々に父への思いを新たにしていきます。

   山の郵便配達

 

 山水画のような険しい山道を往く郵便配達人の姿が印象に残った映画でした。

 

 件の「隠入塵煙」は私もまだ観ることはできていませんが、甘粛省の農村の生活が描かれているこの作品は、可能になれば是非視聴してみたいものです。

 

 習政権は、2020年末までに農村の貧困を解消したと宣言しています。

 

 しかし甘粛省の同年(2020年)の1人あたりの平均可処分所得は約2万元(約40万円)で、最も多い上海の3分の1以下です。

 

 この30年で中国は急成長を遂げてきたわけですが、農山村の生活水準は、以前とそれほど変わりがないように映ります。

 

食料安全保障というランク付けがあるとは知らなかった

 日本の食料自給率をもっと高めなければならない、などと常々問題意識を持っている私ですが、こんな見方のランク付けがあることは知りませんでした。

 

 英誌エコノミスト・グループが20日発表した2022年の世界の食料安全保障ランキングによると、日本は113カ国中で6位となりました。

 

 ロシアによるウクライナ侵攻の影響で世界的に価格が高騰する中でも、日本は輸入を含めて安定的に食料を確保できていると評価され、前年から順位を二つ上げました。首位はフィンランドでした。

 

 2位はアイルランド、3位はノルウェーで、5位までを欧州勢が独占しています。米国は13位、中国は25位、韓国は39位でした。下位には飢餓や貧困に苦しむアフリカなどの途上国が多く、最下位は内戦が続くシリアでした。

 

 調査したのはエコノミスト傘下の調査機関エコノミスト・インパクトです。

 

 食料の「値ごろ感」「入手のしやすさ」「品質・安全性」「持続性・適応」の4分野、68項目を100点満点で数値化し、ランク付けしています。

           Juan Manuel Guisadoさんによるpixabayからの画像

 

 食料を自国で生産しなくても、貿易で確保できれば食料安保上の問題はないとして、自給率に関連した項目は含まれていません。

 

 日本は、食料価格の安定や革新的技術への取り組み、農業インフラなどの項目で高評価を得ました。

 

 日本は今年の春以降、食料品関係の値上げが相次いで実施されています。

 

 しかしお金を払ってでも手に入らないという食品はほとんどありません。

 

 確かに食料・食材の調達確保という点では、日本は商社や関係企業の努力によって、比較的うまくいっているのかもしれません。

 

 食料安全保障が上位のランクを占めている状態を維持しながら、世界でも有数の“食の豊かさ”を誇る国を守るため、必要な食材を今のうちにできるだけ国内で生産量を拡大させたいものです。

 

 今は安全が保障されているとしても、将来食糧危機が発生すれば、各国とも自国の食料確保を最優先するでしょうから。

 

 

円安の荒波を何とか乗り切らねば

 円安が定着しそうな様相です。

 

 収入が上がらない中でのほぼ全ての日用品の値上がりは、私たちの生活を脅かしていることに間違いありません。

 

 特に私たちのような年金生活者においては、物価高騰の脅威は殊更です。

 

 今後も円安基調が長く続くのであれば、生活防衛策に知恵を絞って乗り切らざるを得ません。

 

 まずは普段の支出を一つずつ見直すことから始めてみたいと思っています。

 

 これまでも生活費に支出については、なるべく抑えるよう努力はしてきましたが、円安による影響を加味すると、少し発想を変えることが必要かもしれません。

 

 これまでの円高時代の消費は、国産ものは高く、輸入品が安いという状況が続いてきました。

 

 しかし円安基調になれば、輸入ものの値段が上がりますから、国産ものに目を向けることが大切になります。

        Lukas Jancickaさんによるpixabayからの画像

 

 日本人の朝食は、ご飯派よりパン派の方が多いと言われています。

 

 これ以上小麦の値段が上がるようであれば、パン派の方々が、ご飯に切り替えれば、出費が抑えられるかもしれません。

 

 また同じパン食を続けるのであれば、米粉を使ったパンに注目するのも一考です(ただ、米粉の値段はまだあまり安くないので、需要の高まりにより単価が下がることを期待したいものです)。

 

 海洋国家日本は、四方を海に囲まれていますから、四季折々の豊漁の魚などに目を向ければ、食卓を豊かにしながら食費も抑え込めるでしょう。

 

 野菜類については、天候による影響が値段に反映される要素があるのですが、フードロスに注意しながら、なるべく新鮮なものを食卓に載せたいものです。

 

 近年、冷凍技術の発展とともに、冷凍野菜は旬の時期に加工して保存できるようになりました。

 

 例えば、冬に旬の時期を迎えるホウレンソウですが、冬のホウレンソウを冷凍食品にしたものは、旬の時期以外の生のホウレンソウより、ビタミンCなどの栄養価が高いと言われます。

 

 冷凍野菜も今まで以上に、上手に活用したいと思います。

 

 国内産の食材を上手に活用することは、農家や漁業関係者の支援にもつながります。

 

 これを機に、食料自給率の高まりに本腰を入れて取り組み、円安を追い風にして、質の高い日本の農産物の輸出にも官民を挙げて取り組んでほしいものです。

 

 

生きたまま送られてきたイカ

 妻の妹夫婦から、函館に旅行に行くと連絡がありました。

 

 義妹の夫は、仕事の関係で頻繁に海外に行っており、その時に溜まったマイルを利用して、初めての北海道旅行なのだそうです。

 

 妻は妹に「お土産は何がよいか」と聞かれ、気を遣わせてはいけないと思い、

何もいらないと応えたようです。

 

 その後、旅行先から「今イカを食べていて、新鮮でとてもおいしいので、イカを送ります」と連絡がありました。

 

 しかも、生きたままのイカが届くというのです。

 

 生きたままのイカの処理などしたことはありませんので、妻は戸惑い気味でしたが、自分達が現地で食べておいしいと感じたものを、送ってくれるというのですから、その気持ちは有難く受け止めなければなりません。

 

 北海道を台風から変わった熱帯低気圧が襲い、しばらく漁に出られないから発送が遅れると連絡があったようで、それから数日してやっと送られてきました。

 

 添え状には、「むやみに揺らさないでください」などと注意書きが書かれています。

 

 配送をする人は、さぞかし気を使ったことでしょう。

 

 丁度娘も仕事が休みだったので、妻と二人で梱包を解き、発泡スチロールの蓋を開けて、生きたイカが動いているのを見て歓声をあげています。

 

 届いたのが午前中でしたので、その後妻と娘はそれぞれ用事があり、再び蓋を閉めて出かけてしまいました。

 

 下手をするとイカに墨をかけられるなどと脅されていましたから、私も手を出せないままに夕方まで放置しておきました。

 

 そういえば我が家の包丁は、しばらく研がないままの“なまくら包丁”であることに気付き、妻のいない間に砥石を取り出し、久しぶりで包丁研ぎをしました。

 

 素人の包丁研ぎですから、見違えるような状態にはなりませんが、それでも“なまくら”からは脱することができたような気がします。

 

 夕方妻は戻ってきて,私が研いだ包丁を使ってイカを捌きます。

 

 イカの刺身を細く切るのは“アニキサス”という線虫が体内に入るのを防止するという意味もあるのだそうです。

 

 娘は出かけてしまったので、老夫婦二人で食べるには1杯で十分なので、残りは明日にまわすことにし、冷蔵庫に入れ煮物にすることにします。

 

 新鮮なイカですから美味いには違いないのですが、プロが切れ味の良い包丁で細くさばいたイカそうめんには及びません。

 

 翌日は、イカ墨も混ぜ込んで煮物にしてみました。

 

 これは上々の出来で、新鮮なイカをつかった煮物は最高です。

 

 最近では種類を問わずイカはあまり獲れなくなりなりましたので、値段が跳ね上がり、貧乏人には高嶺の花です。

 

 そんな折に、サプライズのように、生きたイカと届けてくれた義妹夫婦に感謝しながら、美味しくいただきました。

 

3万1千年前の人類は手術の技術を持っていた

 この発表を大変な驚きをもって知りました。

 

 インドネシアのカリマンタン(別名ボルネオ、Borneo)島で発見された人骨から、約3万1000年前に足の切断手術が成功裏に行われていたことが明らかになったとする論文が9月7日、豪グリフィス大学などの研究チームにより英科学誌ネイチャーに発表されたのです。

 

 これまで確認されていた最古の切断手術は、フランスで発見された約7000年前の人骨に対するもので、今回の発見は太古の医学史を塗り替えるものとなります。

 

 従来こうした手術は、定住型農耕社会でのみ行われると考えられていたのですが、今回の研究からは、石器時代のカリマンタン島に住んでいた狩猟採集民が、人体の構造や傷の手当に関する高度な医療知識を持っていたことが示されたのです。

        LUM3Nさんによるpixabayからの画像

 

 人骨は2020年、4万年前の壁画が残る洞窟で発見されました。保存状態は非常に良好だったものの、左の足首から下が欠損。患部はきれいに切断されたとみられ、骨がこぶ状に再生していたことから、足が意図的に切断された可能性が高いことが分かったのです。

 

 歯や周囲の堆積物から、人骨は少なくとも3万1000年前のもので、20歳前後で死亡した人物のものと推定されています。骨の再生具合からは、切断後6〜9年生存し、深刻な感染症にもかからなかったことが示されました。

 

 研究チームはこのことから、当時の人々には「四肢の構造と筋系・脈管系に関する詳細な知識」があったと考えられると説明しています。

 

術後には、定期的な傷口の洗浄や、包帯の巻き直し、消毒といった集中的な看護が行われていたと推測されています。

 

【人類は3万1千年経って、進歩したのだろうか】

 

 身近な人達が怪我や病気になった際に、当時そのような施術の知識があったことに新鮮な驚きを感じました。

 

 何とか愛する人を救おうとする気持ちと知識と技術を既に持ち合わせていたわけです。

 

 3万1千年も経った今、人類はどれほど進歩したのでしょうか。

 

 確かに医療は日々進歩、発展しているのでしょう。

 

 しかし、戦争や紛争は未だに絶えません。

 

 自分は安全な場所に実を置いて、無差別にロケット弾を撃ち放ち、嘘で塗り固めたメッセージを出して自分たちの行為を正当化する。

 

 狭い地球上で生きる人類が、ともに助け合い共存するための英知は未だに生まれないままです。

 

 私たち人類は、進歩するどころか破滅に向かって突き進んでいるような気がしてなりません。