自宅のトイレに座って少用を足す男性が、増えているようです。
10年ほど前に、仕事で関わっているオフィスを訪ねた時のこと、トイレをお借りして、入ってびっくりしたことがあります。
目の前に張り紙がしてあり「男性も座って用を足してください」と書いてあるのです。
私は生まれてこの方、小の用を足すときには、立ってするものだと思っていましたから、その張り紙を見た時には一瞬戸惑いを覚えたものでした。
そのオフィスはスタッフが男性は1名のみで、あとは全員女性でしたので、ひ弱そうな男性スタッフは、女性パワーに押し切られて、そういうルールに決まったのかな、などと思ったものでした。
しかし、その後ある知人から「うちは鬼嫁だから、家では小でも用を足すときは、座ってしないとあとで嫁さんに叱られる」などと聞くにつれ、座って用を足すのは、あのオフィスだけではなかったなと思うようになりました。
しかしその後、立って用を足すことで、どんなに気をつけていたとしても、想像していた以上に微量の飛沫が周囲に飛び散っていることを知ったとき、やはり座って用を足すことは、理にかなっているのだなと思うようになりました。
「男性も座って小用7割」というパナソニックが調査した結果を目にしました。
truthseeker08さんによるPixabayからの画像
新型コロナウィルスの感染拡大後に在宅時間が長くなり、トイレの汚れが気になるようになった表れとみられる、と分析しています。
調査は8月にインターネットで行い、全国の男女各155人が回答しました。男性に自宅のトイレで用を足すスタイルに変化があったのかを尋ねたところ、「着座してするようになった」が11%でした。
そして「以前から着座していて変化はない」の58%と合わせ、約7割が着座して小用を足すという結果になったとのことです。
また、「自身や家族の在宅時間の増加により、トイレの使用頻度が増えた」と回答した人は58%です。
そして40%の人が自宅のトイレの掃除回数が増えたと答えています。
トイレで気になった点として「便器の外側へのとびはね汚れ」が目立ったとの回答です。
同社が2015年に行った調査では「座ってしている」が51%でした。
コロナ禍後に「座る派」がより多数になっており、同社の担当者は「使う回数が増えたトイレをきれいに保ちたいという意識が高まっているようだ」と話しています。
この調査結果をみて、7年前には座ってしている人が既に半数を超えていたことに驚きました。
そこでさらに調べてみると、2009年のTOTOの調査結果をみつけました。
同社の2004年の調査では、“座り派”は23.7%だったものが、2009年には33.4%に増加しています。
加えて2009年の調査を年代別に見てみると、30代・40代・50代と年代が上がるにつれ“座り派”が増えていることが明らかになり、50代男性が最も多いという結果が出ています。
これは理由として考えられるのが、衛生面の理由に加え、用を足す姿勢が座った方が楽ということに起因しているのではと推測されます。
いずれにしても年を追うごとに“座り派”が増えていることは明らかです。
将来、男性も座って小用を足すのが、当たり前の時代になるのでしょうか。
「社会の窓を開ければ、用を足すことができるのは男の特権だ!」などという認識は、改めなければならないと考えさせられます。