夏の甲子園が始まり、連日熱戦が繰り広げられています。
コロナ禍で選手が感染してしまったチームが複数出てしまい、運営側は感染校の試合日程をずらすなど、異例の措置をとっての開催となりました。
高校生活のほぼすべてを、練習に費やしてきた球児たちへの、運営側の配慮の跡が見て取れます。
コロナウィルスとの闘いも足掛け3年となり、その間子供達は、貴重な体験を積む機会を奪われ続けてきました。
高校球児たちもその例外ではなく、今回甲子園出場の切符を手にした選手たちのプレーぶりを見ていると、喜びが体全体からあふれ出しているように感じます。
彼らにとって、チーム一丸となって勝利にまい進した時間は、今後の人生の中で貴重な財産となることでしょう。
ウィズ・コロナの生活が日常となってしまった今、球児たちだけではなく、青春時代の出会いを奪ってしまうようなことのないよう、関係する大人たちは最大の配慮をする必要があるのでしょう。
話は変わりますが、「ダンバー数」というものがあるそうです。
これは一人が持つ友達の数の上限を表していて、親族も含めるとおよそ150人になるのだそうです。
ただ現実には、そんなに多くの友人はいないという人もいるでしょうし、SNSでの友達は1,000人以上いるという人もいるでしょう。
そもそも友達の定義が曖昧なのに、どうすればこのような結論に到達できるのか。
提唱したのはロビン・ダンバーという進化生物学者です。
もともと霊長類の研究をしていた彼は、集団のサイズが脳の大きさと関係していることを見出し、これは人への集団にも応用できるのではと着想しました。
その後、人の大脳新皮質の大きさを調べ、また携帯電話の通話記録やSNSでの友人数など膨大なデータを分析し、この上限数を発見しました。
社会での複雑な人間関係を保つためには、相応に脳が発達する必要があるため、脳のサイズと友達の数が関係してくるといいます。
また人間関係を構築していくためには、相手と時間を共有する必要があり、その関係はかけた時間に比例して強くなると思われます。
それゆえに、もしも友人数が多くなると、一人に割ける時間が減ってしまうため、関係の維持が難しくなります。
こうした時間や脳の制約によって友達の数に上限が存在するのだといいます。
今はコロナ禍でなかなか友達ができにくい状況が続いています。
オンラインでは相手の身体性が感じられず、メールでは時間の共在性が無いため、オンライン環境では友達ができにくいこともロビン・ダンバーは指摘しています。
若者や子供達が健全な環境下で、友人関係を作っていくためにも、コロナの収束が待たれます。