実家に行くと、毎朝皆が起き出す前に、散歩に出かけます。
実家のある場所は温泉地です。
今でこそ“ひなびた”佇まいの温泉地になってしまいましたが、私の小さい頃は、かなりの数の旅館がひしめきあって、隆盛を誇った時期の名残を残していたものでした。
散歩のコースは家から川に降りる道を下り、川沿いの道を上流に向かって歩いていくのが、いつものコースなのですが、今回は目抜き通り(?)を辿って寺に向かう経路を歩いてみることにしました。
普段実家にいく際には、山側にあるバイパスを使って行き来していますので、この道はあまり利用しません。
通りの一軒一軒をのんびり眺めながら歩みを進めます、お土産ものを扱う物産店が何件もありますが、そのほとんどが店を閉じてしまっています。
2,3軒ある食堂はしぶとく生き残っているようです。
なかに魚屋を営んでいた店が、看板だけ残してひっそりと家屋が残っていました。
ここは私が小学生の頃、母親に頼まれてよくお使いにきた店です。
鍋を持たされて、魚の「あら」を買いにきたのです。
毎回「あら」ばかりを買い求めることに、子どもながらも少し気恥ずかしい思いをした記憶があります。
Bessiさんによるpixabayからの画像
先日新聞に、「魚のあらばかり買ってくる妻をどう思いますか?」という投書が紹介されているのを思い出しました。
その内容をめぐって、いくつもの意見が寄せられています。
【安くておいしい派】
lどちらかといえば、身は人にあげ、あらを食べたいくらいです。店に入ったらまずあら売り場に突進です(笑)
lお若いのにあらを買って調理なさる奥さま、素敵ですし素晴らしいですよ
あらの調理は切り身よりもひと手間余計にかかります。手抜きが好きなら、あらなんて買いませんよね。
あらを買う人は、魚をちゃんと料理できる人という認識しかなかったです。
【毎回はつらい派、っていうか苦手派】
肉でいえばホルモンを毎回食べさせられるのと同じでしょうか。そりゃあ、ロースやフィレを食べたくもなりますね。
安かろうが、だしが出て栄養があろうが、苦手なものならば食事はつまらないし苦痛ですらある。たまには普通の魚も食べたいと交渉がんばってください。
栄養士の大西綾子さんによれば「魚のあらはうまみ成分が多く、煮つけやあら汁などに向きます。コラーゲンやドコサヘキサエン酸(DHA)などの栄養も豊富で、骨や皮に近い身は、火がじっくり入るので焼いても硬くなりにくいです。
あらだけでは物足りない場合には、あらの旨味を生かして、切り身も一緒に料理すると良いでしょう」とのこと。
私の母親は栄養価などの知識もなく、単に貧乏で「あら」ばかり私に買わせに行かせたのですが、今にして思えば「フードロス」問題に結構貢献していたのかな、などと思っています😊。