参議院選挙が終わり、与党自民公明は衆参両院ともに、過半数を超える安定基盤を作り上げました。
しかし安部元総理が選挙応援の最中に凶弾に倒れるという、前代未聞の事件が起き、今後の政権運営にも混乱の種を残した再スタートとなりそうです。
海外の安倍氏の訃報への反響の高さに驚いて、国葬を実施することになったようです。
国内の山積した課題もさることながら、世界に向けた情報発信力という点で、不安の残る点は否めません。
保守勢力を束ねる求心性が欠けてしまったことにより、政権運営にも微妙な影を落としていると懸念されています。
精力的に海外に出向き、日本の立場を示しながら、各国のリーダーと人間関係を築いてきた安部氏とは対照的に、岸田さんは、外相経験があるとはいえ、世界に民主主義の原則と自由貿易体制の意義を示して、覇権的な力を抑え込むだけの力量があるかといえば、行動力には一抹の不安があります。
また現在の急激な円安により物価高が起きていることは、企業と生活者にとって脅威ではありますが、これを是正しようとして、金融引き締めに走ろうものなら、未曾有の大不況を招き兼ねません。円安のメリット面を引き出すことで、難局を乗り切る策を講じるべきでしょう。
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世界は「冷戦後」が終り、転換期にあります。
岸田首相には今後、1年くらいの時間をかけて、世界のあり方や日本のあり方を考えてもらいたいものです。
そのために専門知を結集し、諮問機関などを作ることも検討するべきでしょう。
転換期においての国家戦略を考える時にきています。
加えて、安全保障や新型コロナウィルス対策、人口減少、自然災害対策は喫緊に取り組まなければならない課題です。
そして「アベノミクス」を微修正したうえでの経済政策なのか、それともそれに代わる経済政策を打ち出すのか。
日本を率いるリーダー・岸田首相にはこうした問題に方向性を出してもらいたいものです。