前回、私の父がモノを捨てられないという主旨のことを書きましたが、断捨離ブームが続く今、本当に断捨離に突き進んでいっていいのだろうかと、ふと考えました。
実は、私自身も捨てることが苦手な方ではないのかと思いいたったのです。
最近、父の行動を見るにつけ、私も父に似たところがあるのかなと密かに思っていたのですが、妻にそのことをズバリ指摘されました。
父も勿論ですが、私も貧しい環境で育ちました。
衣類にしても靴にしても、古くなったものを妻には捨てろと言われるのですが、まだ着れたり、履けたりするものを捨てたくありません。
大事な場があるときなどに、妻はせっせと私の衣類・シャツなどを買ってくるのですが、捨てないので、家では私が一番“モノ持ち”になってしまいます。
五木寛之さん
そんなとき、本屋の店頭で「捨てない生き方」というタイトルが目に留まりました。
五木寛之さんの新著です。
五木さんは、あえて世の中の風潮の流れの中で、マイナスとされるものに新たな光を当てる名人です。
「捨てない」ことに力を見出す。何年も着ていない服や古い靴、レコード、本などは、他人から見れば不要不急のガラクタであっても、本人の人生では宝物なのだといいます。
夢を求め、モノを買い求めた人生の登頂期を終え、下山の道を進む生の後半には、記憶の詰まった愛着品は孤独の友になるともいっています。
そういえば、私もモノを詰め込んだロッカーや棚の整理をする際に、出てきた写真や若い時に読んだ書物などに出会うと、ふと手が止まって、しばし写真に見入ったり、本をめくって、当時大事な部分にマーカーを引っ張ったりした箇所を見ながら、当時のことを思い出したりしてしまいします。
そういえば若い頃、手狭なアパートで生活していて、手を焼いた音響機器と大量のレコードなどを、実家に持っていき、2階の使っていない部屋に押し込めたままになっていることを思い出しました。
あの頃聞いていたレコードを取り出して、懐かしい曲を聴いてみたいと思うことが時々あります。
しかし保存状態がよくないので、レコードが歪んでしまい聞くことができないかもしれません😢