団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

笠地蔵の話に出てくる老夫婦のようになれたら

 2月に石原慎太郎氏の訃報に接して間もなく、3月8日に妻典子さんが亡くなったとの報道がありました。

 

 詳しいことは私にはわからないのですが、つれあいに先立たれて間もなく、後を追うように亡くなるというケースはよく聞く話です。

 

 データは承知していませんので定かではないのですが、石原氏とは逆に、妻に先立たれた夫がほどなく亡くなるというケースの方が多いような気がしています。

 

 妻に先立たれて、生活の支え、心の支えを失った夫は、生きる希望を失ってしまうことにより、死期を早めるということなのでしょうか。

 

 家庭のことを妻にまかせて、専ら仕事に打ち込んできた夫が、現役を離れ、妻と二人っきりの生活に入ると、何をして良いか分からず、地域では妻の方が顔の知れている中で、樋口恵子さんの名付けた「濡れ落ち葉族」(何をするにも妻の後をくっついてくる様子を、払っても払っても、ひっついて離れない濡れた落ち葉の状態に例えたもの)の状態になったりします。

 

 昨今、夫婦関係もひと昔前とは様変わりしているとはいえ、男の方が「弱い動物」なのではないかと、私は以前から思っています。

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 以前「濡れ落ち葉にはなりたくない」とブログに書いたような気がしますが、このところ我が家では、「父の入院騒ぎ」や「次女の結婚」といった出来事が立て続けにふりかかってきました。

 

 父の入院に際しては、母をショートステイに預ける段取りを、ケアマネジャーと交渉する役目を妻に任せてしまいました。

 

 次女の結婚についても、次女は専ら妻に相談しながら、事をすすめています。

 

 その辺の才は明らかに妻の方が長けています。

 

 両親の看取り、長女の結婚など、この先に待つ私たちの役目はまだまだ続きます。

 

 その先には落ち着いた平穏な二人の生活が待っているのでしょうか。

 

 そんな時、笠地蔵の昔話を思い出しました。

 

 笠を売りに出たおじいさんは雪の中、六人のお地蔵さんに笠をかぶせて帰る。

 

 おじいさんが帰ってその話をすると、おばあさんは「それはよいことをしました」と出迎えるという話です。

 

 雪降れば地蔵に笠をかぶせゆくそんなあなたとふたりの暮らし 馬渕のり子

                   (歌集『そっと置くもの』より)