一昨日のトンガの大噴火に端を発した“津波騒動”は気象庁もメカニズムを解明できないような不気味な現象でした。
のちに噴火によって、“空振”という気圧が急激に上がる現象が発生したことが関わっていることが専門家から指摘されました。
この星に生きていながら、私たちに脅威を与える地球の営みに対し、予測できないレベルの知見しか持ち合わせない人類の現状を思い知らされます。
国内に目を転じれば、秒読み段階に入っているのかもしれない“富士山の噴火”が懸念されています。
歴史を振り返ると、天明の大飢饉(1782~1788年)は、浅間山の噴火との関係が深いと聞いたことがあります。
1783年に浅間山は大噴火を起こします。
この噴火で当時、2000人以上の死者を出したとされ、群馬県の「鬼押出し園」はこの噴火の際に、流れでた溶岩で形成されました。
浅間山の噴火の火山灰は埼玉県北部まで降灰し、浅間山の麓では3センチも積もったと記録されています。
利根川では、積もった火山灰で水がせき止められ、後に決壊し周辺に大きな被害をもたらしました。
またこの年には青森県の岩木山も同様に噴火しています。
火山灰が大量に降り、植物に降り積もると光合成が阻害され、、場合によっては植物自体が枯れてしまいます(光合成は水・二酸化炭素・光エネルギーが必要)。
Jose Antonio Albaさんによるpixabayからの画像
さらに海外では同年(1783年)アイルランドのラキ火山も大噴火を起こしています(浅間山の10倍規模)。
世界中で相次いだ火山噴火により、太陽が遮られてしまい北半球全域が
寒冷化したと考えられています。
その結果、小麦の収穫量が大きく減少し、フランスでは兼ねてから住民の不満が燻っていたことと相まって、1789年のフランス革命の遠因となってと唱える学者もいるようです。
今年が1783年のような年にならないことを願うばかりです。