昨日は家人が出払って一人で家にいました。
そんな折、ふと先日亡くなった元職場の先輩Aさんのことを思い出しました。
Aさんは、決して他人の悪口を言わない人でした。
そして、他人を褒めることがとても上手な人でもありました。
当時、仕事上での相談事をする場合、もっとも信頼のおける先輩だったのです。
ひとを“褒める”ということは意外と難しいものです。
かくいう私も、人を褒めることはあまり得意ではありません。
相手が褒められてうれしいのは、真に自分を見てくれているなと実感できる時だと思います。
歯の浮くような“おべんちゃら”を言っても見透かされるだけです。そして何か魂胆があるのかなどと、疑われるのがオチでしょう。
人を褒めるときには、相手の特徴をしっかり観察する必要があります。なぜなら普段まったく接しない、見ていない人に対してはどこに褒めるポイントがあるのかがわからないからです。
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人は褒められることで“ドーパミン”と呼ばれる快楽物質が脳から放出されるそうです。
ドーパミンとはやる気や行動力を高める神経伝達物質です。人は褒められて嫌な気分になることはめったにありませんが、これはドーパミンの分泌が関係しているからのようです。
褒められてドーパミンの分泌量が高まると「よし、次も頑張ろう」「やってやるぞ」といった前向きな気持ちになることが多いといいます。
しかし最近では困難な状況に追い込まれて「自己肯定感が低い」方が多いと言われますが、そういう状況に置かれている人に、いきなり誉め言葉を投げかけても、心に入り込んではいかないことも事実です。
そんな人には前向きな気持ちになれるまでは、寄り添って一緒に考えていくことの方が大事になります。
そして励ます必要が出てきた段階で、それまで知りえた“その人の長所”を伝えて、背中を押してあげることが必要になります。
私は最近、いろんな人達と接する機会がめっきり減りましたが、傾聴力だけは研ぎ澄ませておきたいと思っています。
傾聴により、その人を褒める言葉が見つかると思っているからです。