少し前から下の娘に「会ってほしい人がいる」と言われていました。
いきなり家に連れてこられるのは妻が嫌がって、コロナの自粛期間中であることを理由に、先延ばしさせてもらっていたのです。
前から彼が出張に行くたびに、出張先で買ったいろいろなお土産を、娘を介して戴いていて恐縮はしていました。
昨日、家の近くの鴨料理を出す店で、昼の時間に会うことになりました。
我々が店に着くと、娘と二人すでに待っていて、たまたま取れた個室に案内されます。
挨拶をかわし席に通され、まず妻が以前に頂いたお土産のお礼を言います。
彼は緊張気味に返答し、妻がお土産の品がとてもおいしかったと褒めると、満面の笑みで喜んでいました。
Jill Wellingtonさんによるpixabayからの画像
聞けば、昨年父親を亡くされ、納骨の日に娘とはじめて会ったとのこと、娘の友人の紹介で会うことになったようです。
亡き父の納骨と娘との出会いが重なったことに何かを感じているような印象です。
彼の父親君はとても厳格な人だったそうですが、末期癌であることが分かってから、最後の半年間は、家族でとても濃密な時間を過ごしたことなどを話してくれました。
今の仕事に就いて10年が経つそうで、とても「やりがい」を感じているとのことを聞いて、私の心の中では安堵感のようなものが湧いてきました。
明日は、娘を連れて父君のお墓参りに行きたいとのこと、娘のことを託して店を出て別れました。
今後のことは二人で決めていけばよい、と思いつつ私たちは家路につきます。
家に帰ると、妻は彼の身に着けていたものを品定めしていたようで、「身に着けていた時計は本物なのかな?」などと言いだします。
私にとっては、そんなことどうでもいいと思うのですが、女の人はどうして気になるのだろう、と口に出さずに思ってしまいました。

- 価格: 1029 円
- 楽天で詳細を見る